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【石油・天然ガス】

サービスステーション3分の1倒産で民営石油企業に再同盟の動き (08/09/08)
2008/9/8
中国【石油・天然ガス】

 石油供給源を確保できないため、全国の民営石油流通企業は存亡の危機に晒されている。

 民営サービスステーションの苦境は深刻であり、中には石油製品の調達が出来ず、開業前に店を競売に出すところすら出ているが、買い手が付くのも難しい状況にある。

 中国商業連合会石油流通委員会の趙友山会長は、民営石油企業の状況は昨年に比べ一層悪化していると言う。民営石油卸売企業663社のうちすでに3分の2が倒産し、45,000軒余りの民営サービスステーションの3分の1が店じまいしている。民営石油企業はいずこも十分な石油を調達することが出来ない。趙友山会長は、このような状況がは続けば、中国の民営石油企業は全て消えてしまうと危機感を募らせる。

 趙友山会長は、中国の石油流通を根本的に改めなければどうしようもないと説くが、彼自身、その可能性はほとんどないと見ている。

 趙友山会長の言う石油流通を根本的に改めるとは、独占局面を打破することである。2008年3月、国家発展改革委員会と商務部は合同で「民営石油製品企業経営関連問題に関する通達」を出した。同通達は、中国石油天然ガス集団(CNPC)と中国石油化工集団(SINOPEC)の2大集団に対し、買収、資本参加、共同経営等の形で民営卸売企業の再編を推進するよう求めるとともに、民営卸売及び小売企業に、その合理的な利益を確保した上で、長期契約によって石油を供給するよう求めたものである。この通達は民営石油企業から起死回生の策と見なされ、貫徹されれば、民営企業は苦境から脱することが出来ると期待されていた。

 しかし、民営企業の苦境は依然として全く改まっていない。その後、この通達の執行を督促する通達も改めて出されたが、効果は小さい。通達は、CNPCとSINOPECに対し、民営卸売企業へ国定小売価格から5.5〜7.0%差し引いた価格で石油製品を供給するよう求めているが、しかし、正にこの規定があるため、民営石油企業は石油を調達できない。なぜなら、2大集団は民営企業に石油製品を売ってもほとんど儲けにならないからである。石油製品の中でかろうじて儲けを出せるのは97オクタン価ガソリンの卸売だけであり、その他は収支トントン、軽油に到っては赤字になる。CNPCやSINOPECが利益の見込めないことをするはずもない。

 結局、中国の石油流通の独占局面は中央政府の1片の通達で解決できるものではないと趙友山会長は言う。

 苦境に陥った民営企業が撤退するには今のところ、競売にかけるしか術がない。趙友山会長は、民営石油企業の撤退の仕組みを作って民営石油企業の投資と損失に対して政府が合理的な補償を行なうべきだと主張するが、趙氏自身も政府に期待することは出来ないと観念している。

 趙友山会長は、民営石油流通業界が改めて同盟を結成する可能性もあることを示唆した。現在、「民営石油聯合集団有限公司」の設立が計画されているとのこと。今回の同盟は規模が大きくなり、資本金は50億元以上になると趙友山会長は言う。すでに大型民営企業20社余りの参加が決まっているが、超大型企業が先頭に立つことが必要であると趙友山会長は指摘する。また、香港の企業など外国企業との提携の動きもある。

 しかし、業界関係者の多くは、この同盟の行方について楽観していない。彼等は民営石油聯合集団有限公司が長聯石油聯盟の二の舞になることを危惧している。長聯石油は工商聯石油商会の会員企業を主体に、共同出資により2005年に設けられ、経営資産は1,000億元に達したものの、最終的には様々な矛盾が爆発して、泡と消えた。

 (南方日報 9月8日)