米国の経済減速の影響が中国の鉄鋼、電力、セメント、化学肥料の4大石炭消費産業の需要に対しても及んでいる。一方、中国国内の生産能力は一定の増加を示しており、今年の残り数ヶ月、石炭需給は基本的に平衡する見通しである。

　これより先、市場はオリンピック閉幕後に小炭鉱の生産量が爆発的に拡大することを期待していたが、この数年、中国の石炭産業政策は、集中度の向上や大規模集団化の方向へシフトしている。石炭不足時に小炭鉱は潤滑剤の役目を果たしたものの、安全操業に影響する最大の潜在要因でもある。オリンピック後に一部地区で小炭鉱の生産拡大が事故の頻発をもたらし、黒龍江、遼寧、河南等で炭鉱事故が発生した。政府は事故の責任追及を強化しているため、小炭鉱管理政策は従来通りであり、生産能力拡大を小炭鉱に期待する考え方は最早通用しない。

　長期的に見た場合、小炭鉱は中国の市場から徐々に退場することになる。小炭鉱の統廃合後は、大規模化、安全、高効率の方向へと発展するだろう。従って、中国の石炭生産能力は、2年内は統廃合と高度化の段階が続き、短期的に大幅拡大を示すことはないだろう。

　（経済参考報 10月14日）