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中国
【石油・天然ガス】

中国LNG市場 発展の余地は大きいが開発規模とペースは理性的な思考が必要 (08/10/22)
2008/10/24
中国【石油・天然ガス】

 LNG価格は今年6月に14$/MMBTUであったが、8月には20$/MMBTUに上昇した。2ヶ月間で42%もの上昇幅になる。一方、2007年平均価格の対前年比上昇率は8%に過ぎなかった。LNG価格が上昇を続けているため、中国のLNG需要は頭打ちになり、LNG事業の進捗も減速することは間違いない。先頃開催された「アジア太平洋LNGサミット」において、中国石油化工(SINOPEC)経済技術院の劉均安院長に話しを聞いた。以下、劉院長の話。

 一次エネルギー消費構造の調整に伴い、中国のLNG市場には大きな発展の余地があるが、発展の規模とペースについては理性的な思考が必要である。

 中国経済の持続的かつ急速な成長の勢いは依然続いているが、経済を保障するエネルギーは極度の不足を来たしている。国際石油価格が高値で推移する状況にあっては、LNGを導入することは、中国のエネルギー構造を高度化し、エネルギーセキュリティ問題と環境保護という二重の問題を解決して経済と社会の持続可能な発展を実現する上で、重要な作用を発揮する。

 中国はLNG産業をますます重視するようになっており、計画又は実施中の沿海LNG事業には広東、福建、浙江、上海、江蘇、山東、遼寧がある。これらLNG事業は、最終的に沿海LNG受入基地群と輸送パイプラインからなる1つのネットワークを構築することになる。但し、実施段階に入っている事業は広東と福建のみで、残りはすべて準備段階にある。

 中国の内陸部にはすでにLNGサテライトステーション40ヶ所超、ピーク調整ステーション1ヶ所、LNG工場2ヶ所があり、建設中のLNG工場は4ヶ所に上る。計画中のLNG受入基地がすべて完成すると、備蓄中継能力は年間1,800万トンに達する。中国のLNG産業は台頭、発展の段階を迎えているのである。

 中国のLNG利用計画によると、2010年の国内生産能力は900億m3、2020年には2,400億m3になる。一方、輸入天然ガスについては、発展改革委員会は2020年に350億m3の輸入を要すると見込んでいる。これは広東受入基地の7倍に当たる。

 (中国石油報 10月22日)