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中国
【石炭】

原油価格の下落で石炭化学産業のリスク高まる (08/11/25)
2008/11/26
中国【石炭】

 この数年、国際原油価格の高騰によって石油代替エネルギーの開発がブームとなった。石油代替エネルギーには主に、メタノール、DME、合成油等の石炭由来液体燃料と、エタノール、バイオディーゼル等のバイオ液体燃料がある。石炭化学だけを取っても、中国の上場企業34社の建設中又は計画中の石炭化学プロジェクトの支出額は約4,000億元に上っている。

 しかし、国際原油価格は今年7月の1バレル147ドルをピークに、今や半分以下に下落した。同時に石炭価格も下落しているものの、下落幅は原油をはるかに下回る。そのため、石炭化学工業の中でも、石炭液化やメタノールのコスト上の優位性はすでに薄れている。

 石炭価格をトン当たり400元、固定資産の減価償却を20年、7%として試算すると、石炭液化の出荷コストは石油価格が1バレル60ドル以上であれば表面的には採算が取れるが、実際の運用では収益の余地はさらに小さくなる。なぜなら、石炭液化プロジェクトは大量の水を消耗するからである。石炭直接液化の場合、液化油1トンの生産に要する水は5〜6トン、間接液化の場合は10〜12トンに上る。

 さらに、世界的な経済不振の影響で、原油の先安観がますます強まっている。現在の石炭価格と原油価格から見てさえも石炭化学企業の収益の余地は最早大きくない上、今後とも原油価格の下落が続いた場合、緒に付いたばかりの石炭化学プロジェクトは赤字の危機に直面するだろう。ある専門家は、原油価格が70ドルを下回る状況が続くと、石炭化学産業が発展する可能性は絶たれることになると指摘する。

 (国際能源網 11月25日)