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中国
【石炭】

輸出落ち込み、需要大幅減退で中国コークス業界が悲鳴 輸出税率引き下げを陳情 (08/12/05)
2008/12/8
中国【石炭】

 中国海関総署の統計によると、10月のコークス輸出量は52.6万トン、前年同期比63%減、前月比で61.7%減の最低水準となった。また、10月のコークス平均輸出価格はトン当たり609ドルで、前月に比べ11ドル下がった。また、別の統計によると、10月のコークス生産量は2,200万トンで、6月のピークに比べ30%減少している。

 中国コークス協会は、11月の国家能源局の内部会議において、コークス産業の現状、在庫の急増、販売不振、資金難等の問題を訴え、コークス企業の負担を軽減して企業がコークス生産に前向きになるようコークス輸出関税率を現行の40%から30%に引き下げるよう陳情した。なお、コークス輸出暫定税率は、コークス価格高止まりの中、今年8月20日から40%に引き上げられていた。

 コークス協会の統計によると、この2年、コークス企業の生産能力拡張が進んでいる。2008年から2009年にかけて運転を開始するコークス炉や建設中、計画中のコークス炉は86基に上り、年産能力は5,096万トン増えることになる。一方、世界経済の低迷を受けて中国の大型鉄鋼企業は相次いで減産計画を打ち出し、鋼材市場の軟調が続く。生産能力の拡大と需要の減少によってコークス需給ギャップは拡大し、供給過剰の構造化は不可避である。

 コークス業界は、事態が好転するのは来年3月か4月以降になると見ているが、それまでに倒産に追い込まれるコークス企業が続出することも避けられない。今回のパニックがいつまで続くのか、不安は高まっている。

 (第一財経日報 12月5日)