中国はすでに天然ガス生産大国になっているが、一方、需要圧力は依然下がることはなく、省エネ・排出削減の圧力もなお存在している。

　金融危機の中、経済成長パターンを速やかに転換し、粗放型の成長から集約型成長に転換することがますます迫られるようになっている。

　中国の天然ガス価格には内外逆さやが存在していることは否定できない。相対的に低い価格では天然ガスの価値を十分反映することも、エネルギーの不足程度を反映することもできず、省エネにインセンティブに与える作用を発揮できない。さらに、協調的で持続可能な発展を全面的に実現し、品質と収益を講じる発展目標を実現する上でも不利に働く。

　こうした見地からすれば、天然ガス価格改革は必然の流れであり、我々は理性的に対応しなければならない。価格調整によって、市場が資源を配置する基礎的役割を十分発揮させることが可能になり、市民の習慣を改めて省エネと効率の高いガス使用を促進するのにも有効である。

　当然ながら、天然ガスは、公共財の一種として大衆の日常生活の中で使用に供されており、剛性需要の範疇に入る。天然ガス価格の上昇は必然的に市民の生活費の支出増につながる。天然ガス価格の合理化に当たっては、市場原理に則り、経済成長パターンの転換という要請に応えながらも、人を根本とし、民生の改善と社会の安定を促進することも堅持しなければならない。

　各地方は天然ガス価格の調整に際して、ガス企業のコスト圧力と都市貧困層の負担能力をいずれも考慮に入れるべきである。財力のある地方は、企業や低所得家庭に補助金を給付するよう検討しても良かろう。

　（人民日報 2月2日）