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中国
【エネルギー全般・政治経済】

国家発展改革委員会、地方政府の発電用石炭価格への干渉を黙認 (09/02/02)
2009/2/4
中国【エネルギー全般・政治経済】

 5大電力集団と石炭企業の発電用石炭契約が未成立の中、一部石炭企業は、発電所への石炭供給の停止乃至は制限を行うとともに、下落を続ける石炭価格を維持するため減産を強化しており、このため、石炭供給はタイトになり、発電所の石炭備蓄は急速に低下、電力使用ピーク時の電力供給が脅かされている。こうした中、黒龍江、河南、湖南等の地方政府は次々と発電用石炭価格への干渉を開始し、一方、石炭企業と電力企業はようやく歩み寄りを見せ始めた。

 1月初頭以来、主要石炭生産地区は減産を強化しており、このため、石炭供給はタイトになり、一部地区の発電用石炭価格も上昇傾向を示している。例えば、山西省の地方炭鉱の生産停止や大型炭鉱の減産は石炭価格の安定維持に決定的な作用を及ぼしている。黒龍江の龍煤集団は1月1日から4日にかけて、契約未成立を理由に発電所への石炭供給を全面的に停止し、同省の電力企業は、いったんは運転停止の危機に陥った。

 一方、5大電力集団は1月以来、石炭の値下げに期待していたが、却って石炭企業の減産と石炭価格の小幅の上昇、発電所の石炭備蓄の急減等の現状に直面しており、石炭不足による運転停止の危機に瀕している火力発電所すらある。5大電力集団の某幹部は、神華集団や山西省を筆頭とする石炭企業側の集団的な減産や供給・輸送の停止が電力事業に小さからぬ打撃を与えていると慨嘆する。

電力企業は石炭不足による運転停止が電力の安定供給に影響することに対して懸念を強めており、価格交渉をこれ以上引き延ばすことを望んでいない。一方、石炭企業も歩み寄りを開始し、両者の隔たりは今後次第に縮小する見込みである。今年の全体的な経済情勢見通しから、石炭と電力の需要は、いずれも低迷が続くことは必然であり、このことは電力企業、石炭企業の双方が認識している。今後、両者は徐々に歩み寄り、一方、石炭企業側の減産も極限に達して、石炭供給が回復すると、価格交渉も長引くことはあり得ない。

電力と石炭の矛盾が真っ先に激化した黒龍江省では、省政府が1月4日、発電用石炭契約への干渉に乗り出した。省政府は、重点発電用石炭契約価格を昨年年初よりトン当たり50元上げるとの暫定的価格案を打ち出して、旧正月期間における発電石炭供給の確保を図った。

河南省政府も調整に乗り出し、発電石炭の暫定価格を昨年年初の0.08元/kcalから、0.09元/kcalに引き上げるとの案を決定した。

その他にも、貴州、重慶、湖南等が暫定価格案を打ち出している。

一方、国家発展改革委員会は、電力企業と石炭企業の自主的な交渉によって最終的に価格を確定するとの立場を取り、依然両者の争いを市場によって調整しようとしている。市場による調整がすでに失敗したにも関わらず、国家発展改革委員会はこれまで正式な干渉措置を取っていない。しかし、石炭価格交渉に対する地方政府の干渉については、国家発展改革委員会はこれを支持する姿勢を示している。業界消息筋は、状況が地方政府の手には負えないようになった場合、国家発展改革委員会が必然的に自ら乗り出すことになると見ている。

(中国能源網 2月2日)