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【石油・天然ガス】

CNPCが深センにLNG受入基地建設 (09/02/11)
2009/2/13
中国【石油・天然ガス】

 中国石油天然ガス集団(CNPC)筋は10日、「第一財経日報」紙に対し、同社が深セン市においてLNG受入基地に着工したことを認めた。深センにはすでに中国海洋石油(CNOOC)が大鵬LNG受入基地を完成させているので、CNPCの受入基地は深センで2番目になる。中国でLNG受入基地を2ヶ所も有することになる都市は深センだけである。

 CNPCの深センLNG受入事業の提携パートナーは、中電控股(ホールディングス)と深セン市燃気集団。「第一財経日報」が得た情報によると、CNPCの受入基地が建設されるのは深セン大●湾。同受入基地は第2西気東輸ガスの補充として、広東、香港、マカオにガスを供給することになる。

 LNG受入事業に資本参加する中電控股傘下の中華電力によると、CNPCと中電は先頃基本合意文書に調印したばかりとのこと。合意文書によると、同LNG受入基地の持ち株比率は、CNPCが51%、中華電力と深セン市燃気集団がそれぞれ24.5%になる。受入基地の処理量や竣工時期は明らかにされていない。

 前出のCNPC筋によると、同LNG受入基地は、他の受入基地とは異なり、独立したLNG受入基地ではなく、第2西気東輸パイプライン・東ブロックの一部になる。第2西気東輸パイプライン・東ブロックは2011年に全線開通して稼動を開始する予定。

 CNPCが深セン大●湾にLNG受入基地建設を決めたのは昨年である。その背景には、香港の天然ガス供給が切迫していることがある。海南省三亜近くの崖城ガスは香港の主要ガス源であるが、すでに枯渇に瀕している。中国政府はすでに南シナ海海域の新規ガス源を香港向けの供給に当てているが、香港龍鼓灘発電所はより多くの天然ガスを必要としており、長期的に見て香港のガス源は不足を来たすことになる。

 CNPCはシェル、トタルとの間で巨額に上るLNG長期売買契約を結んでいる。前出のCNPC筋は、CNPCがどの会社のLNGを深センの補充ガス源として輸入するかは未だはっきりしていないと表明した。

 なお、香港最大の電力会社である中電控股はこれまでLNG受入基地建設を図って曲折を繰り返してきた。2007年4月、中電控股は香港大鴉湾にLNG受入基地を建設するよう計画したが、その後中国の能源局と香港特別行政区政府はエネルギー協力協定に調印したため、中電控股の計画は挫折した。この協力協定には、第2西気東輸パイプラインから香港への天然ガス供給とFS実施が盛り込まれ、また中国と香港側の両方に天然ガス受入ステーションを建設することが合意された。しかし、中電控股の包立賢行政総裁(CEO)は引き続き香港向けLNG供給事業へ参加するよう希望し、今回のCNPCとの提携によってようやく宿願を果たした形である。中電控股はLNG受入基地事業への参加により、傘下の電力公司へのガス供給源を確保する上で大きな利益を得ることになる。

 (第一財経日報 2月11日)

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