中露石油融資協定の調印から1ヶ月、ロシアのESPOパイプライン(東シベリア−太平洋パイプライン)の竣工時期が早められることになった。 4月7日、トランスネフチは、ESPOパイプラインのタイシェト−スコボロジノ区間2,496kmの敷設工事が4月6日時点で残すところ46kmになったことを明らかにした。 中国側にとって関心事は、スコボロジノから中露国境までの64kmの支線であるが、「21世紀経済報道」紙記者の得た情報では、この支線は4月に着工されるとのこと。つまり、ロシアから中国への国境までパイプライン開通については、最後の110kmの進捗を見定めることが必要である。 4月6日、プーチン首相は、「ESPOパイプラインは今後数週間内に中露国境まで敷設される」述べた。 2月17日に調印された中露協定によると、中国はロシア側へ合計250億ドルに上る長期融資を供与し、ロシアは石油供給をもってその償還に当てる。ロシアは2011年から2030年にかけ、毎年1,500万トン、総計3億トンの石油をESPOパイプライン経由で中国に輸出することになる。 トランスネフチの資料によると、ESPOパイプライン第1期工事では、送油ステーション7ヶ所と専用の積み込み埠頭を建設し、パイプライン敷設工事はイルクーツク、アムール州、サハ自治共和国のヤクート及び沿海州で同時に進める。竣工は2009年12月。現在、2,000km余りが完成し稼動を開始しているが当面は逆行運転である。すなわち、東シベリア油田の石油を西の欧州向け石油パイプラインへ輸送している。 ロシア最大の銀行であるズベルバンク(Sberbank)は3月、トランスネフチに対しESPOパイプライン建設用に128.94億ルーブルを融資すると発表していた。 前述のように4月6日時点で第1期の敷設工事は46kmを残すのみとなっており、数週間内に溶接工事をすべて完了することになる。専門家の分析によると、残りの作業量から見て、第1期工事は予定の2009年末よりも早く竣工する見込みである。 また、中国支線は4月に着工され、起点のスコボロジノから中露国境まで64kmまではロシア側が建設し、国境から大慶までの980kmはペトロチャイナが建設に当たる。 ESPOパイプライン第2期(ESPO-2)工事は、スコボロジノから太平洋岸のコズミノ港まで。コズミノは、ロシアから日本などアジア市場への輸出港になる。第2期は未だ着工されていない。 業界筋の分析によると、ESPOパイプラインの敷設が順調に進捗していることは、伝統的な欧州のエネルギー市場からアジア市場へのロシアの戦略転換を示している。 トランスネフチのボグダンチコフ社長は4月3日、同社が今年第2、第3四半期に中国から150億ドルの融資の第1回分を受け取る見込みであると表明した。協定によると、トランスネフチは中国からの融資を3年内に3回に分けて受けることになる。 また、ボグダンチコフ社長は、ロスネフチとトランスネフチが4月10日までに石油供給契約を結ぶ予定であることを明らかにした。 (21世紀経済報道 4月8日)
中露石油融資協定の調印から1ヶ月、ロシアのESPOパイプライン(東シベリア−太平洋パイプライン)の竣工時期が早められることになった。
4月7日、トランスネフチは、ESPOパイプラインのタイシェト−スコボロジノ区間2,496kmの敷設工事が4月6日時点で残すところ46kmになったことを明らかにした。
中国側にとって関心事は、スコボロジノから中露国境までの64kmの支線であるが、「21世紀経済報道」紙記者の得た情報では、この支線は4月に着工されるとのこと。つまり、ロシアから中国への国境までパイプライン開通については、最後の110kmの進捗を見定めることが必要である。
4月6日、プーチン首相は、「ESPOパイプラインは今後数週間内に中露国境まで敷設される」述べた。
2月17日に調印された中露協定によると、中国はロシア側へ合計250億ドルに上る長期融資を供与し、ロシアは石油供給をもってその償還に当てる。ロシアは2011年から2030年にかけ、毎年1,500万トン、総計3億トンの石油をESPOパイプライン経由で中国に輸出することになる。
トランスネフチの資料によると、ESPOパイプライン第1期工事では、送油ステーション7ヶ所と専用の積み込み埠頭を建設し、パイプライン敷設工事はイルクーツク、アムール州、サハ自治共和国のヤクート及び沿海州で同時に進める。竣工は2009年12月。現在、2,000km余りが完成し稼動を開始しているが当面は逆行運転である。すなわち、東シベリア油田の石油を西の欧州向け石油パイプラインへ輸送している。
ロシア最大の銀行であるズベルバンク(Sberbank)は3月、トランスネフチに対しESPOパイプライン建設用に128.94億ルーブルを融資すると発表していた。
前述のように4月6日時点で第1期の敷設工事は46kmを残すのみとなっており、数週間内に溶接工事をすべて完了することになる。専門家の分析によると、残りの作業量から見て、第1期工事は予定の2009年末よりも早く竣工する見込みである。
また、中国支線は4月に着工され、起点のスコボロジノから中露国境まで64kmまではロシア側が建設し、国境から大慶までの980kmはペトロチャイナが建設に当たる。
ESPOパイプライン第2期(ESPO-2)工事は、スコボロジノから太平洋岸のコズミノ港まで。コズミノは、ロシアから日本などアジア市場への輸出港になる。第2期は未だ着工されていない。
業界筋の分析によると、ESPOパイプラインの敷設が順調に進捗していることは、伝統的な欧州のエネルギー市場からアジア市場へのロシアの戦略転換を示している。
トランスネフチのボグダンチコフ社長は4月3日、同社が今年第2、第3四半期に中国から150億ドルの融資の第1回分を受け取る見込みであると表明した。協定によると、トランスネフチは中国からの融資を3年内に3回に分けて受けることになる。
また、ボグダンチコフ社長は、ロスネフチとトランスネフチが4月10日までに石油供給契約を結ぶ予定であることを明らかにした。
(21世紀経済報道 4月8日)