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【エネルギー全般・政治経済】

中国第1四半期 エネルギー消費が全体的に回復 単位GDP当たりのエネルギー消費が低下…国家統計局 (09/04/29)
2009/5/1
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国国家統計局は28日夜、今年第1四半期のエネルギー供給・消費状況を発表した。

 第1四半期のエネルギーの供給と消費の伸びが回復する一方で、重点エネルギー消費企業のエネルギー消費は月を追うごとに低下し、単位GDP当たりのエネルギー消費は前年同期比で低下した。

 1. エネルギーの供給と消費の伸びが回復
 
第1四半期の全国エネルギー総供給量(生産量+純輸入量)は約6.55億tce(標準炭換算トン)、前年同期比3.45%増になり、増加幅は昨年第4四半期を1.65ポイント上回った。うちエネルギー総生産量は5.85億tce、前年同期比4.31%増、純輸入量は6,978万tce、3.28%増。

 エネルギー総消費量は6.64億tce、前年同期比3.04%増で、増加幅は昨年第4四半期を2.25ポイント上回った。

 (1) 石炭、電力の消費が回復 石油消費の伸び率がやや上昇

 第1四半期の石炭消費量は約6.49億トン、前年同期比2.69%増、増加幅は昨年第4四半期を10.71ポイント上回った。電力消費は7,810億kWh、前年同期比4.02%のマイナスになったが、減少幅は昨年第4四半期に比べ1.98ポイント縮小した。石油製品消費量は5,735万トン、前年同期比−6.35%になり、減少幅は昨年第4四半期を3.83ポイント上回った。

 (2) 基礎産業と重点エネルギー消費企業のエネルギー消費が回復

 昨年第4四半期に比べ、電力や重点原材料など基礎産業のエネルギー消費は減少幅が縮小するかもしくは増加幅が拡大した。電力事業のエネルギー消費は前年同期比8.91%のマイナスになったが、減少幅は昨年第4四半期に比べ3.56ポイント縮小した。鉄鋼業のエネルギー消費の減少幅は昨年第4四半期より12.02ポイント低い5.66%、化学原料工業のエネルギー消費の減少幅は4.34ポイント低い10.59%になった。建材業のエネルギー消費の増加幅は3.32%で、昨年第4四半期に比べ2.42ポイント上昇した。

 年間エネルギー消費1万tce以上の重点製造企業の第1四半期におけるエネルギー消費は前年同期比5.0%のマイナスになったが、減少幅は昨年第4四半期に比べると6.95ポイント下がった。重点製造企業のエネルギー消費は2008年11月以降4ヶ月連続で回復傾向にある(月平均2.34ポイントの回復)。

 2. 単位GDP当たりのエネルギー消費の低下幅が拡大

 今年第1四半期におけるエネルギー消費の伸び率を3.04%、GDP成長率を6.1%として推計すると、同時期の全国単位GDP当たりのエネルギー消費は前年同期比2.89%低下したことになり、低下幅は前年同期の2.62%に比べ0.27ポイント高い。

 エネルギー消費が全体的に回復するとともに単位GDP当たりのエネルギー消費が低下したことは、国際金融危機に対処する包括的な経済成長刺激策によって、経済成長が持続される一方、経済構造調整と省エネ・排出削減が促進されたことを示している。

 単位GDP当たりのエネルギー消費の低下幅が大きくなった原因として、主に次のような点が挙げられる。

 ・ 経済構造の変化が省エネ効果をもたらした。第1四半期は、第三次産業の比重が前年同期より1.6ポイント大きくなり、工業の比重は1.9ポイント縮小した。エネルギー消費の70%以上を占める工業の内部構造もまた低エネルギー消費の方向へと発展している。例えば、6大エネルギー消費工業の生産高の伸びは、全国の一定規模以上の企業の伸びを2.8ポイント下回り、前年同期に比べると12.5ポイント下がった。

 ・ エネルギー利用効率が向上した。第1に、年間エネルギー消費1万tce以上の重点製造企業の重点エネルギー製品25品目とエネルギー消費指標108項目の80%以上が低下傾向を示している。第2に、エネルギー転換効率が向上した。エネルギー転換総効率は1.55ポイント上昇している。第3に、エネルギーの回収利用が顕著な効果を上げた。第1四半期における重点エネルギー消費企業のエネルギー回収利用量は1,935万tce、回収利用率は2.25%であった。

 ・ 製造業の生産高単位当たりのエネルギー消費が普遍的に低下した。石油化学は9.80%、化学原料は14.44%、建材は8.24%、鉄鋼は7.51%、非鉄金属は16.58%、電力は10.17%下がった。

 (国家統計局 4月29日)