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【石油・天然ガス】

中国、「石化産業調整振興計画」を公布 (09/05/18)
2009/5/19
中国【石油・天然ガス】

 中国政府は18日、「石化産業調整振興計画」を公布した。

 同「計画」は、「石化産業の現状及び直面する情勢」「指導思想、基本原則並びに目標」「産業調整と振興の主要任務」「政策措置」「計画実施」の5章からなる。

 「計画」は、中国石化産業はこれまで急速に発展してきたが、積年の矛盾と問題が日々突出していると指摘、特に国際金融危機は石化産業に対し、内外市場の萎縮、生産量低減、在庫の増加、価格の大幅な下落、収益の低下など大きな衝撃をもたらしたとして、産業の調整と振興を加速することが急務であり、3年間の調整、振興によって、産業構造の合理化、成長方式の転換、総合力の向上を図るとしている。

 同「計画」は次のような目標を掲げている。

 ・2011年には、原油処理量を4億500万トン、石油製品生産量を2億4,750万トン、エチレン生産量を1,550万トンとする。

 ・2011年には化学肥料生産量を6,250万トンとし、高濃度化学肥料の比率を80%に高め、原料生産地における化学肥料生産を60%とする。生産コストを大幅に引き下げる。高効率・低毒性・低残留農薬の比率を高める。農業用軽油の供給ネットワークを完備する。

 ・産業配置を合理化し、2011年には石油製品の「北油南運(北部の石油製品を南部に輸送)」状況を改善する。長江デルタ、珠江デルタ、環渤海地区の産業集積度を高め、3〜4ヵ所の2,000万トン級製油、1,500万トン級エチレン製造基地を完成する。

 ・製品構造を改善する。2009年には自動車ガソリンがすべて「国?V」基準に達するようにし、2010年には軽油が「国?V」基準に達するようにする。2011年には軽質石油製品の収率が75%に達するようにし、また、ハイエンド石油化学製品の自給率を顕著に向上させる。

 ・産業技術の進歩を加速して、大型プラントの国産化を進める。

 ・省エネ・排出削減効果を高める。2011年には石化産業の付加価値生産額当たりのエネルギー消費を12%以上引き下げ、汚水、二酸化硫黄、粉塵など汚染物排出量を6%以上減らして、産業特有の汚染排出を抑制する。

 具体的な事業配置については、同「計画」は、一体化、工業団地化、集約化、産業複合のモデルに従って重要事業の配置を進めるとし、短期的には海外資源を国内において合弁で処理する石化事業の準備作業を進めるとともに、条件に適した既存の大型製油化学企業の拡充を進めるとし、特に中緬原油パイプラインの進展に合わせて、西南地区における石油化学事業の配置について研究を展開するとしている。

 石化企業に対する政策としては、「大型石化集団の戦略提携を推進し、産業配置と上流・下流資源配置を高度化し、国際競争力を強化する」「実力ある企業の合併・再編を支持し、産業規模を拡大し、ハイエンド石化産業を強化する」ことを打ち出している。中央企業の再編については、資本、融資面で支援するとし、また、再編を実施した基幹企業の技術改造や製品構造調整を支援するとしている。

 備蓄に関しては、備蓄施設の建設を加速し、当面のチャンスを生かして国家石油製品備蓄を増やすとともに、原油商業備蓄に準じた石油製品商業備蓄の方法及び制度を速やかに研究、制定するとしている。

 同「計画」では、中国企業の海外資源探査開発に対する誘導と支援も謳われており、条件に適した企業の海外開発については、許認可手続きの簡略化や、融資、外国為替、課税等の面での整備を進めるとしている。

 その他、同「計画」は、一時的に資金難に陥った優良企業に対する金融支援、石油製品価格政策の完備、石油消費税制度改革など様々な政策措置を打ち出している。

 また、同「計画」は、石炭化学については、その盲目的な発展を断固抑制して、健全な発展を促すとしている。今後3年間、コークス、カーバイド等の時代遅れの生産能力の淘汰を進め、その種の石炭化学事業の拡張プロジェクトを認可せず、新規の石炭化学試験事業も配置しないとし、一方、石炭液化、石炭由来のオレフィン、DME、メタンガス、エチレングリコールの5種類については既存のモデルプロジェクトに重点的に取り組み、石炭の高効率でクリーンな転換や、石化原料の多元化を模索するとしている。

 (中国政府網・新華網 5月18日)