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【エネルギー全般・政治経済】

中国 省エネ型製品購入への助成措置 内需拡大と排出削減に期待…発改委 (09/05/27)
2009/5/29
中国【エネルギー全般・政治経済】

 国務院の承認を経て、国家発展改革委員会と財政部が「省エネ製品恵民プロジェクト」を実施することになった。これは、財政助成により、高効率・省エネ型製品の普及を加速する計画であり、消費需要を掘り起こして内需を拡大するとともに、製品のエネルギー使用効率を高めて省エネ・排出削減を促進することが狙い。国家発展改革委員会の解振華副主任は「人民日報」のインタビューに答えた。

(人民日報)

「省エネ製品恵民プロジェクト」実施の意義は?

(解振華副主任)

 省エネ型製品の普及によって、内需拡大、成長維持、構造調整を有機的に結びつける。当面の成長、民生、安定の確保が要請される中、「省エネ製品恵民プロジェクト」の実施は少なくとも次の3つの面で意義が大きい。

 第1に、消費を拡大させ、産業を振興する。中国は家電製品生産大国であり、輸出大国である。国民経済への影響は大きい。昨年下半期以降、金融危機の深刻な影響で、中国の家電製品輸出は未曾有の困難にある。国内需要の拡大と産業振興を急ぐ必要がある。「省エネ製品恵民プロジェクト」によって、消費需要を掘り起こし内需を拡大して、経済の安定的かつ比較的急速な発展を維持することが出来る。

 第2に、エネルギー効率を高め、構造を高度化する。工業化、都市化の急速な進展に伴って、中国の家電製品の保有量は急増したが、高効率・省エネ型家電製品の市場シェアはわずか5〜15%に過ぎず、この分野の省エネ潜在力は大きい。「省エネ製品恵民プロジェクト」を実施することで、高効率・省エネ型家電製品のシェアは30%前後に高まるだろう。それにより、年間750億kWhの節電が可能になり、また製品の世代交代を加速し、省エネ技術の進歩を促すことになる。

 第3に、節電は節約でもあり、庶民に恩恵が及ぶ。高効率・省エネ型製品は一般の製品よりも高価であるが、「省エネ製品恵民プロジェクト」により消費者は購入費用を節約することが出来るだけでなく、節電によって電気代を節約することが出来る。

 (人民日報)

 「省エネ製品恵民プロジェクト」はどのように実施されるのか?

 (解振華副主任)

 今後3年、エネルギー効率1級又は2級以上のエアコン、冷蔵庫、フラットテレビ、電気機械など10種類の高効率・省エネ型製品(すでに実施されている高効率照明や省エネ型・新エネルギー自動車を含む)に助成措置を適用する。助成対象は当該製品の購入者、消費者、ユーザー。助成基準は、高効率・省エネ型製品と一般製品の価格差をもとに、技術進歩やスケールメリットなども考慮して確定する。間接助成方式を採り、高効率・省エネ型製品のメーカーに補助金を給付する。メーカーは補助金を差し引いた価格で高効率・省エネ型製品を販売することを約束する。最終的に消費者とユーザーが受益者になる。

 (人民日報)

 「省エネ製品恵民プロジェクト」によってどのような効果が期待されるのか?

 (解振華副主任)

 3年間実施することで、次のような効果を上げることが出来る。

 ・年間4,000〜5,000億元の需要を喚起する。2010年には高効率・省エネ型製品の市場シェアは10〜20ポイント上昇して、30%以上になる。

 ・省エネ・排出削減促進する。年間750億kWhの節電が可能になるが、これは100万kWクラスの石炭火力発電所15基に相当し、二酸化炭素7,500万トンの排出削減につながる。

 ・技術の進歩を促進する。高効率・省エネ型製品の大規模な普及に伴って、業界参入の敷居が高くなる。企業は省エネ技術改造を加速することになり、技術の進歩と産業の高度化が推進される。

 ・雇用の安定、拡大につながる。家電産業は労働集約型産業であり、裾野が広い。高効率・省エネ型製品の消費拡大、企業投資の促進や販売、物流、アフターサービスなどネットワークの完備も雇用の増加につながる。

 (慧聡網 5月27日)