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【石炭】

中華煤気と晋煤集団連合 山西港華炭層ガス液化プロジェクトが操業開始 (09/07/03)
2009/7/6
中国【石炭】

 7月5日、山西省晋城市泌水県嘉峰鎮において、香港中華煤気と山西晋城無煙煤鉱業集団(晋煤集団)の共同出資による山西港華炭層ガス液化プロジェクト第1期が操業を開始するとともに、その第2期が着工された。

 このプロジェクトは総投資額9,800万ドル、出資比率は香港中華煤気70%、晋煤集団30%。第1期は液化炭層ガス年産9,000万m3、第2期は2億m3になる。アジア最大級の液化炭層ガス基地。

 晋煤集団の今年の炭層ガス生産量は10億m3を突破し、収入は15億元を超えると見込まれる。

 一方、香港中華煤気は1994年より中国本土に進出、現在72件の都市ガス事業を展開している。中華煤気は2006年、晋煤集団と合弁契約に調印し、炭層ガス液化事業に乗り出すことになった。中華煤気は今年5月、中国本土における新エネルギー開発に40〜50億元の投資を計画していると表明した。中華煤気のエネルギー投資計画には、内蒙古オルドス市の石炭化学事業、山西省炭層ガス事業、安徽省、河北省及び浙江省杭州市における天然ガスパイプライン事業や、吉林省の天然ガスパイプライン並びにガス田開発事業などがある。

 これまで炭層ガス開発の対外経営権は中聯煤集団が独占していたが、今回のプロジェクトによってその独占体制が打破され、中国の炭層ガス産業は、中国石油天然ガス(PetroChina)、中聯煤集団、そして中華煤気・晋煤集団連合の、天下三分の鼎立状況となった。特に泌水県の炭層ガス確認埋蔵量は6兆8,500億m3で、山西省の炭層ガス確認埋蔵量の3分の1、全国の炭層ガス確認埋蔵量の5分の1を占める。

 現在、晋城市において炭層ガス開発を手がけるのは中聯煤層気、PetroChina、晋煤集団藍焔煤層気の3社。中聯煤層気はもともと中聯煤集団とPetroChinaが50%ずつ出資していたが、昨年末、PetroChinaは中聯煤層気の株式を中聯煤集団に譲渡して、炭層ガス開発専門公司の設立を進めるとともに、「泌水盆地炭層ガス15億m3年産能力建設開発案」を策定し、山西省政府と戦略協力枠組み協議に調印した。2010年には炭層ガス生産能力を15億m3にする計画である。

 なお、晋煤集団藍焔煤層気の炭層ガス開発はこれまで手痛い目に遭っている。2006年、PetroChinaと中聯煤集団は晋煤集団を「違法にガスを採掘している」として提訴し、また、2008年末には、晋煤集団藍焔煤層気の事業は、PetroChina山西煤層気分公司、中聯煤層気公司等とともに、法規違反の疑いありとして、山西省政府から停止命令を受けたことがある。

 晋煤集団の何輝副総工程師(副技師長)によると、現在、3社の間は競争だけではない。晋煤集団はPetroChina並びに中聯煤と協力を展開しており、中聯煤とは共同開発も進めているとのこと。

 (第一財経日報 7月6日)