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中国原油備蓄 立地とコスト問題をどうすべきか 専門家が提言 (09/07/10)
2009/7/13
中国【石油・天然ガス】

 中国の戦略原油備蓄建設が加速されている。天津市発展改革委員会は、中国石油化工(Sinopec)が同市浜海新区に国家原油戦略備蓄基地を建設し、年内にも着工されるとの見通しを明らかにした。同備蓄基地は第2期原油備蓄計画の一環である。なお、第1期戦略備蓄基地は黄島、大連、鎮海、舟山の4ヵ所に建設され、2008年末に完成している。合計1,640万m3規模。

 天津備蓄基地は第1期320万m3の規模になり、総投資額35億元。Sinopecは戦略備蓄基地建設に合わせて、320万m3の商業原油備蓄タンクと200万m3の商業石油製品備蓄タンクも建設する。

 第2期原油備蓄計画については、張国宝国家発展改革委員会副主任兼国家能源局長が、内陸部も建設することや、OECD加盟国の基準に匹敵する消費量の90日分の備蓄目標を徐々に達成すると表明した。

 中国の石油備蓄計画を効果的に実施するのはどうすれば良いか、未解決の2大問題があると専門家は指摘する。

 備蓄基地の立地は重要な問題である。沿海か、それとも内陸部か。北京理工大学の崔新生教授は、第2期においても、沿海部に立地する方が適しているとの考えを示している。

 備蓄コストの削減も重要な問題であるが、これは国際原油価格と密接に関連している。国家能源局によると、中国のこれまでの国家備蓄原油のコストは1バレル平均58ドル前後。張国宝は第1期の備蓄原油コストは極めて低かったと表明しているが、ここ数ヶ月、国際原油価格が33ドルにまで下落した時期なら、コストはさらに低くなる。崔新生教授は、「国際原油価格には不確実性が付きまとい、適切な備蓄時機を見定めることは難しい。中国は産油大国でもあり、国内原油を備蓄に当てることも考慮すべきだ。コスト面から言えば、海外原油を導入するよりも国産原油の方が採算に合う」と述べる。

 また、崔新生教授は、原油備蓄をめぐっては、柔軟に思考しなければならないとして、次のように提言する。

 政府は「生ける備蓄」を徐々に増やすべきである。「生ける備蓄」とは、世界各地に分布する上流資源への投資を強化し、安全で、生産量が安定し、相対的にコストが安い油田を直接支配することを指す。そして、こうした構想を前提に、商業備蓄プロジェクトを拡大する。そうすることで、コスト問題を企業に帰し、投資構造を一層合理化し、投資と収益の比を合理的な範囲に収めることが出来る。また、政府は石油備蓄投資ファンドを設けて、統一的な管理を行うべきである。

 (人民網 7月10日)