中国海洋石油総公司(CNOOC)、中国海洋石油総公司販売分公司、中海石油中捷石化有限公司に対して石油製品卸売経営資格が付与されることになった。

　今回のCNOOCへの卸売経営資格付与には同社の恵州製油プラントが先月操業を開始したことが背景にある。中海油惠州工程建設事業本部の趙岩副部長によると、恵州プラントから華南、華東等の地区にガソリン、軽油、灯油など700万トン余りの石油製品と400万トン余りの石油化学製品が投入されることになる。

　長らく上流開発に専念していたCNOOCはここ数年、製油プラントの建設や民営製油所の買収など製油化学と石油製品販売業務に力を入れている。CNOOCは、華東地区においては寧波大●石化を拠点とし、渤海湾では河北中捷石化と山東海化など山東地方製油所を拠点に、そして華南地区では恵州製油プラントを拠点として、長江デルタ、珠江デルタ、渤海湾をカバーし全国にも広がる販売ネットワークと物流システムを構築しており、また2008年末時点でサービスステーション187軒と総容量55万m3の石油タンク9基を有している。さらに、CNOOCは下流部門を強化すべく、昨年、製油化学部門や販売、貿易部門を統合して精製化学販売事業本部を開設するとともに、上海、広州、天津に地域販売分公司を設けた。

　中国の石油製品の卸売及び小売市場は、WTO加盟時の公約に従って対外開放されてはいるが、実際には中国石油天然ガス集団(CNPC)と中国石油化工(Sinopec)の2大公司による独占構造は未だに打破されておらず、石油輸入の主導権も2大公司が握っている。CNOOCの参入によって、市場競争が激化し、長期的には中国の石油製品流通市場の多元化が推進されると見られるが、短期的にはCNOOCのシェアは限定的であり、2大公司の地位を揺るがすことはなかろう。

　（経済参考報 7月27日）

　●…「木」へんに「射」