29日、中国石油大手3社はそれぞれ第3四半期の業績を発表した。 【PetroChina】 中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)の第3四半期の総営業収入は2,677.42億元、前年同期の3,045.47億元に比べ12%の減収になり、純益は308.47億元、前年同期比23.5%の減益になった。 【Sinopec Corp.】 一方、中国石油化工股フェン有限公司(Sinopec Corp.)の第3四半期の純益は165億元、前年同期比123%の増益になった。なお、第1〜第3四半期の純益は497億元、前年同期比230%の増加。 Sinopec Corp.の第3四半期の原油生産量は1,073万トンに上り、四半期毎の生産量では過去最高を更新したものの、第1〜第3四半期の原油生産量は3,173万トン、前年同期比1.28%の微増に止まり、天然ガス生産量は61億m3、同0.20%の微増であった。但し、第3四半期においてSinopecの探査開発部門の業績は原油価格高騰に伴って大きく向上、税引き前収益は前期比170%もの増加となり、製油部門の収益悪化を補った上で、Sinopec Corp.全体の増益に貢献した。 第1、第2四半期に好業績を上げていた製油部門の収益は、第3四半期には一転して悪化し、前期比87%の減益になった。もっとも、第3四半期のSinopecの原油精製量は4,750万トンで過去最高を記録した。7月は黒字であったが、8、9月は原油価格高騰に応じた石油製品の値上げが行われなかったため、Sinopecの製油部門は赤字を計上した。このようにSinopecの製油部門は原油や石油製品販売、化学等の部門と異なり、政策要素に起因する影響を受けるが、第1〜第2四半期の業績が好調であったため、第1〜第3四半期の通算では、製油部門は比較的良好な業績を残した。 第3四半期の石油製品販売部門の業績は予想を上回った。石油製品販売量は第1四半期2,640万トン、第2四半期3,130万トン、第3四半期3,190万トンと上昇が続き、第3四半期には販売量は前年同期比でもプラスに転じた。 【CNOOC】 中国海洋石油有限公司(CNOOC Ltd.)の第3四半期の石油・天然ガス生産量は64万7,382b/d、前年同期比18.4%増に達したが、同期の総収入は237.6億元、前年同期比23.1%の減少になった。減収の原因は国際原油価格の下落であり、第3四半期におけるCNOOC Ltd.の原油平均価格は1バレル67.83ドルで、上半期に比べ37.4%上昇したものの、前年同期比では36.6%もの下落になっている。 CNOOC Ltd.は第3四半期の収益状況を公表していないが、中国の石油3大手の中でCNOOC Ltd.は上流の占める比率が最も大きく、したがって石油価格の変動が収益に及ぼす影響は他の2社に比べて一層顕著である。原油価格が前年同期に比べ大幅に下落している現状では、CNOOC Ltd.の収益状況が大きく好転することはあり得ない。但し、傅成玉董事長(会長)兼CEOは、今後の国際原油価格の着実な上昇によって同社の経営環境は好転するとしている。 なお、CNOOC Ltd.の第3四半期の石油・天然ガス生産量のうち、中国海域の生産量は52万4,412b/d、前年同期比9.7%増であったのに対し、海外生産量は12万2,970b/d、前年同期に比べ78.9%もの増加を示している。 (網易財経 10月29日・毎日経済新聞・上海証券報・第一財経日報 10月30日)
29日、中国石油大手3社はそれぞれ第3四半期の業績を発表した。
【PetroChina】
中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)の第3四半期の総営業収入は2,677.42億元、前年同期の3,045.47億元に比べ12%の減収になり、純益は308.47億元、前年同期比23.5%の減益になった。
【Sinopec Corp.】
一方、中国石油化工股フェン有限公司(Sinopec Corp.)の第3四半期の純益は165億元、前年同期比123%の増益になった。なお、第1〜第3四半期の純益は497億元、前年同期比230%の増加。
Sinopec Corp.の第3四半期の原油生産量は1,073万トンに上り、四半期毎の生産量では過去最高を更新したものの、第1〜第3四半期の原油生産量は3,173万トン、前年同期比1.28%の微増に止まり、天然ガス生産量は61億m3、同0.20%の微増であった。但し、第3四半期においてSinopecの探査開発部門の業績は原油価格高騰に伴って大きく向上、税引き前収益は前期比170%もの増加となり、製油部門の収益悪化を補った上で、Sinopec Corp.全体の増益に貢献した。
第1、第2四半期に好業績を上げていた製油部門の収益は、第3四半期には一転して悪化し、前期比87%の減益になった。もっとも、第3四半期のSinopecの原油精製量は4,750万トンで過去最高を記録した。7月は黒字であったが、8、9月は原油価格高騰に応じた石油製品の値上げが行われなかったため、Sinopecの製油部門は赤字を計上した。このようにSinopecの製油部門は原油や石油製品販売、化学等の部門と異なり、政策要素に起因する影響を受けるが、第1〜第2四半期の業績が好調であったため、第1〜第3四半期の通算では、製油部門は比較的良好な業績を残した。
第3四半期の石油製品販売部門の業績は予想を上回った。石油製品販売量は第1四半期2,640万トン、第2四半期3,130万トン、第3四半期3,190万トンと上昇が続き、第3四半期には販売量は前年同期比でもプラスに転じた。
【CNOOC】
中国海洋石油有限公司(CNOOC Ltd.)の第3四半期の石油・天然ガス生産量は64万7,382b/d、前年同期比18.4%増に達したが、同期の総収入は237.6億元、前年同期比23.1%の減少になった。減収の原因は国際原油価格の下落であり、第3四半期におけるCNOOC Ltd.の原油平均価格は1バレル67.83ドルで、上半期に比べ37.4%上昇したものの、前年同期比では36.6%もの下落になっている。
CNOOC Ltd.は第3四半期の収益状況を公表していないが、中国の石油3大手の中でCNOOC Ltd.は上流の占める比率が最も大きく、したがって石油価格の変動が収益に及ぼす影響は他の2社に比べて一層顕著である。原油価格が前年同期に比べ大幅に下落している現状では、CNOOC Ltd.の収益状況が大きく好転することはあり得ない。但し、傅成玉董事長(会長)兼CEOは、今後の国際原油価格の着実な上昇によって同社の経営環境は好転するとしている。
なお、CNOOC Ltd.の第3四半期の石油・天然ガス生産量のうち、中国海域の生産量は52万4,412b/d、前年同期比9.7%増であったのに対し、海外生産量は12万2,970b/d、前年同期に比べ78.9%もの増加を示している。
(網易財経 10月29日・毎日経済新聞・上海証券報・第一財経日報 10月30日)