先頃開通したトルクメニスタンと中国を結ぶ中央アジア・中国パイプラインについて、ロシアの専門家の多くは、ロシアのGazpromに悪影響が及ぶことはなく、むしろGazpromには利益がもたらされると見ている。

　ロシアの専門家はそうした見方を取る理由として、次のような点を挙げている。

　・中国の天然ガス市場は急成長しており、中国政府は中央アジア・中国ガスパイプライン開通後もGazpromとの協力を希望している。中国の天然ガス消費の拡大に伴って、中国市場におけるGazpromのシェアも拡大するだろう。

　・Gazpromは例年トルクメニスタンから500億m3の天然ガスを購入して欧州に転売しているが、欧州の天然ガス需要が未だ金融危機以前の水準に回復していないため、トルクメニスタンから大量の天然ガスを購入する必要はない。

　・トルクメニスタンの天然ガス埋蔵量は実際には公表された数字よりもはるかに小さい。

　・トルクメニスタンの天然ガス輸出はパイプライン通過国に依存している。対中天然ガス輸出も政治的な要因によって制約される。

　・トルクメニスタンやカザフスタンが中国への天然ガス供給を増やせば、Gazpromのライバルになるナブコパイプラインへの天然ガス供給が減少する。

　Gazpromはむしろ中央アジア・中国天然ガスパイプラインの受益者になることが出来る。

　(俄新網 RUSNEWS.China ・鳳凰網 12月16日)