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【石油・天然ガス】

ペトロチャイナと豪ウッドサイドのLNG協議失効の主因は価格…中国の専門家が分析 (10/01/07)
2010/1/12
中国【石油・天然ガス】

 オーストラリアのWoodside Petroleumは4日、と2007年に調印した中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)年間300万トンのLNG売買協議が2009年12月末日に失効したことを明らかにした。

 中国石油国際事業公司は同日、同協議失効の理由として、供給源となるBrowse事業の遅延を挙げた。

 中国の専門家は、今回の中豪協議失効について、次のように分析している。

 ●中信証券石化産業アナリスト・黄莉莉

 協議失効の背景には2007年から2009年にかけての国際天然ガス価格の変動がある。2007年の天然ガス価格は高価であり、米国の天然ガス価格は7.35$/MMBTUにまで上昇した。しかし、現行の天然ガス価格は5.53$/MMBTUに過ぎない。

 PetroChinaは多くのLNG輸入契約を結んでいる。例えば、カタールからは200万トンのLNGを輸入する。中国海洋石油 (CNOOC)も多くのLNG契約を結んでおり、これらのLNGは2010〜2012年より中国に輸出される。中国国内の天然ガス需要は毎年2ケタ台の増加を続けてはいるが、これらの輸入事業が順調に実施されれば、国内の天然ガス供給に短期的な過剰が生じる。その上、2007年の天然ガス価格は極めて高かった。今回、PetroChinaとWoodsideの契約が中止になったのは必ずしも悪いことではない。

 ●商務部国際貿易経済協力研究院研究員・梅新育
 
 今回の協議失効は、売り手が契約を撤回したのではなく、買い手のPetroChinaが天然ガス価格暴落のため主体的に取った措置である。このことは、中国が自国の巨大な国内市場を運用することによってより良い取引条件を獲得しようとする現われだ。

 今回の協議失効から、多くの人は昨年の中国アルミによるリオ・ティント買収失敗を連想するかもしれないが、性格は全く異なる。リオ・ティント買収案はオーストラリア資産の買収に当るが、PetroChinaとWoodsideの売買協議は純粋な市場売買行為だ。

 (財経網 1月7日)

(本記事は中国の一部の見方を紹介したものであり、エイジアム研究所の見解を示すものではありません)