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【石油・天然ガス】

石炭液化の中国神華が石油製品小売市場参入の可能性も (10/03/19)
2010/3/23
中国【石油・天然ガス】

 昨年末、石炭最大手の神華と南アフリカのサソル社の合弁による石炭液化プラントの申請が、寧夏自治区発展改革委員会から国家能源局に提出された。同プラントは9万b/d超、年間1,000万トンの石油製品を生産することになり、神華とサソルは年内にも政府の正式承認が下りることを期している。

 同プラントの製品の販売ルートについては、3つの可能性がある。第1に、CNPCとSinopecに卸すこと、第2に神華が単独で販売すること、第3に神華とサソルが共同でサービスステーションを建設する可能性である。

 サービスステーションの共同建設の細目については、神華とサソルとの間で未だ具体的に決まっておらず、国家能源局に提出した申請書にも盛り込まれていない。しかし、神華煤製油化工有限公司(神華化工)や神華オルドス煤製油分公司はいずれも石油製品卸売のライセンスを有し、CNPCとSinopecのサービスステーションに直接販売することも出来る。

 一方、石油製品小売のライセンスは卸売のライセンスを取得するよりも容易であり、神華がサービスステーションを建設することは決して困難ではない。

 製油と小売の一体化には前例があり、Sinopec、福建省、エクソンモービル、サウジアラムコの合弁による福建製油エチレン事業において、Sinopecは、エクソン、サウジアラムコと合弁で石油製品販売会社を設け、福建省で750軒のサービスステーションを経営することになった。

 神華の単独出資による内蒙古石炭直接液化プロジェクトはすでに石油製品を生産しており、サソルとの合弁による寧夏の間接液化プロジェクトも2016年に操業を開始する。これらプロジェクトの石油製品をサービスステーションに直接供給することは可能である。

 (第一財経日報 3月19日)