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中国
【省エネ・環境】

中国 耐用年数わずか30年の建築物施工で毎年数億トンの廃棄物を発生 (10/04/07)
2010/4/7
中国【省エネ・環境】

 英字紙「チャイナデイリー」の6日付報道によると、中国は毎年、世界のおよそ半分の鉄鋼とセメント消費量を建築業に投入し、莫大な建築廃棄物を発生させている。現在、中国政府は不動産開発業者に対して建築物の品質を高め、30年間でしかない建築物の耐用年数を100年に延長するよう呼びかけている。

 住宅都市農村建設部の仇保興副部長によると、中国の新規建築面積は年間20億m2に上り、世界のセメントと鋼材の40%を消費しているが、耐用年数は25〜30年に過ぎない。このように耐用年数の短い建築物によって毎年計り知れない廃棄物が発生しており、中国のみならず世界の環境に脅威をもたらすことは明らかである。1万m2の建築施工過程において、建築廃棄物だけでも500〜600トン発生する。一方、老朽建築物の解体では1万m2につき7,000〜12,000トンの廃棄物が発生する。中国では、毎年解体する老朽建築物は建築総量の40%を占める。

 住宅都市農村建設部建築省エネ科技司の陳宣明司長によると、闇雲な解体と建築の品質問題は中国の建築業にとって一貫した難題である。2009年には、武漢、上海、南京など各地で建築物の倒壊事故が頻発し、政府に警鐘を鳴らした。また、2008年の四川大地震では、被災した学校は13,768校、生徒の死者・行方不明者は5,335人、障害の残った者は546名に上った。

 このような悲劇を経て、住宅都市農村建設部は2009年7月、緊急通達を発し、各地方政府に対して、住宅建築過程の品質検査の実施を求めた。検査の内容には、工事の質的状況、施工機関や従業人員の関連法規及び義務的基準の履行状況が含まれる。全国30余省、90余りの都市の建築工事180件余りを検査したが、合格率は96.1%という結果であった。

 なお、中国の建築物の平均耐用年数35年に対し、先進国では、英国の建築物の耐用年数は132年、米国は74年に達している。

 (中国能源網 4月7日)