ロシアの「独立新聞」は「シェールガスの収益は政策次第」と題する論説を掲載、米国で発生したシェールガス革命が中国でも生じる可能性があるとの予想を示し、次のように論評した。 昨年米国の天然ガス生産量がロシアを抜いて世界第1位になったのは、天然ガス総生産量に占めるシェールガスの比率が10%に上昇したためである。BPのヘイワード最高経営責任者(CEO)はこれを「静かなる革命」と呼んでいる。短期間で米国の天然ガスに根本的な変化が生じた。技術の打開によって米国はシェールガス開発を大幅に高めたのである。シェールガスの埋蔵量は莫大であり、専門家によると、米国の天然ガス需要を数十年間賄うことが出来る。 中国石油天然ガス集団(CNPC)は、中国のシェールガス埋蔵量を45兆m3と見積もっている。これはロシアで昨年確認された天然ガス埋蔵量よりも大きい。もし中国が米国のようにシェールガスを開発すれば、中国のエネルギー供給地図には天と地がひっくり返るような変化が発生するだろう。 米国エネルギー情報局(EIA)の関係者も中国が極めて大量のシェールガスを見つけることが出来るとの見方を示している。周知のごとく、中国は極めて大きな温暖化ガスを排出しており、石炭に対する依存度を引き下げようと努めている。中国はLNGターミナル建設を進めるとともに、パイプラインによるトルクメニスタン天然ガスの輸入も開始した。中国のエネルギー専門家によると、昨年の中国の天然ガス消費は810億m3、うち国内生産は760億m3であったが、2020年には年間の天然ガス輸入が1,350億m3を突破するだろう。中国はその頃にはエネルギー使用量に占める石炭の比率を現在の70%から60%に下げるよう計画している。米国のエネルギー情報局は、シェールガスが中国の重要なガス源になり、2030年には天然ガス総生産量の中で25%を占めるようになると見ている。 但し、専門家は、中国のシェールガス開発はまだ「青年」期の段階であり、米国についても全体的にシェールガス開発技術は依然として早期段階にあると見なしている。 昨年11月、米中両国はシェールガス開発協力協定に調印し、両国の企業が共同でシェールガスの探査と開発を進めることになった。また、中国石油天然ガス集団(CNPC)とロイヤルダッチシェルは四川省でシェールガスの共同探査を行い、中国石油化工(Sinopec)とBP、シェルとCNPCはオーストラリアの関係企業を共同買収することを提案している。もし米国の会社が中国に参入し、自らのノウハウによってシェールガスを開発すれば、中国のエネルギー産業には巨大な変化が生じるだろう。また、フランスも米国のシェールガスに参入しつつある。 シェールガス開発技術が絶え間なく発展する中で、中国、米国や欧州の天然ガス市場の行方は、生産者がシェールガス開発によって在来型天然ガスの開発よりも大きいメリットを得られるかどうか、つまり、政府がシェールガス分野でどのような政策を採るかによって決まる。専門家によると、開発コストが3〜7ドル/MMBTUの場合、シェールガス開発には収益が出る。米国では昨年だけでも、技術の発展によってシェールガスの確認埋蔵量が51%増えた。状況によっては国家の政策が決定的な作用を及ぼす、例えば、OPECの天然ガス版や天然ガス生産者クラブの成立など、消費国が生産国の統一戦線に直面することになれば、政策要素が主要な作用を発揮することになる。 (経済参考報 4月21日)
ロシアの「独立新聞」は「シェールガスの収益は政策次第」と題する論説を掲載、米国で発生したシェールガス革命が中国でも生じる可能性があるとの予想を示し、次のように論評した。
昨年米国の天然ガス生産量がロシアを抜いて世界第1位になったのは、天然ガス総生産量に占めるシェールガスの比率が10%に上昇したためである。BPのヘイワード最高経営責任者(CEO)はこれを「静かなる革命」と呼んでいる。短期間で米国の天然ガスに根本的な変化が生じた。技術の打開によって米国はシェールガス開発を大幅に高めたのである。シェールガスの埋蔵量は莫大であり、専門家によると、米国の天然ガス需要を数十年間賄うことが出来る。
中国石油天然ガス集団(CNPC)は、中国のシェールガス埋蔵量を45兆m3と見積もっている。これはロシアで昨年確認された天然ガス埋蔵量よりも大きい。もし中国が米国のようにシェールガスを開発すれば、中国のエネルギー供給地図には天と地がひっくり返るような変化が発生するだろう。
米国エネルギー情報局(EIA)の関係者も中国が極めて大量のシェールガスを見つけることが出来るとの見方を示している。周知のごとく、中国は極めて大きな温暖化ガスを排出しており、石炭に対する依存度を引き下げようと努めている。中国はLNGターミナル建設を進めるとともに、パイプラインによるトルクメニスタン天然ガスの輸入も開始した。中国のエネルギー専門家によると、昨年の中国の天然ガス消費は810億m3、うち国内生産は760億m3であったが、2020年には年間の天然ガス輸入が1,350億m3を突破するだろう。中国はその頃にはエネルギー使用量に占める石炭の比率を現在の70%から60%に下げるよう計画している。米国のエネルギー情報局は、シェールガスが中国の重要なガス源になり、2030年には天然ガス総生産量の中で25%を占めるようになると見ている。
但し、専門家は、中国のシェールガス開発はまだ「青年」期の段階であり、米国についても全体的にシェールガス開発技術は依然として早期段階にあると見なしている。
昨年11月、米中両国はシェールガス開発協力協定に調印し、両国の企業が共同でシェールガスの探査と開発を進めることになった。また、中国石油天然ガス集団(CNPC)とロイヤルダッチシェルは四川省でシェールガスの共同探査を行い、中国石油化工(Sinopec)とBP、シェルとCNPCはオーストラリアの関係企業を共同買収することを提案している。もし米国の会社が中国に参入し、自らのノウハウによってシェールガスを開発すれば、中国のエネルギー産業には巨大な変化が生じるだろう。また、フランスも米国のシェールガスに参入しつつある。
シェールガス開発技術が絶え間なく発展する中で、中国、米国や欧州の天然ガス市場の行方は、生産者がシェールガス開発によって在来型天然ガスの開発よりも大きいメリットを得られるかどうか、つまり、政府がシェールガス分野でどのような政策を採るかによって決まる。専門家によると、開発コストが3〜7ドル/MMBTUの場合、シェールガス開発には収益が出る。米国では昨年だけでも、技術の発展によってシェールガスの確認埋蔵量が51%増えた。状況によっては国家の政策が決定的な作用を及ぼす、例えば、OPECの天然ガス版や天然ガス生産者クラブの成立など、消費国が生産国の統一戦線に直面することになれば、政策要素が主要な作用を発揮することになる。
(経済参考報 4月21日)