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中国
【新エネルギー】

トルファンに新エネルギーモデルタウン建設 (10/05/06)
2010/5/7
中国【新エネルギー】

 照明と温水供給には太陽エネルギーを利用し、冬季の暖房と夏季の冷房は地熱を利用する。交通はゼロエミッションの電動バスとタクシー……新エネルギーを活用する「低炭素ニュータウン」が5日、新疆自治区のトルファン市において着工された。

 北京市建築設計研究院の朱小地院長によると、このニュータウンは、火力発電を主としていた従来のエネルギー供給モデルを改め、太陽エネルギー、風力、地熱を活用する。中でも設備容量13MWの太陽光発電所は民生用や市政府施設の照明、そして電動自動車用に電力を供給する。

 全人代環境資源委員会主任の汪光●氏は、「このタウンは中国初の干ばつ地区における低炭素・グリーンモデルタウンであり、国家発展改革委員会が承認した新エネルギー総合利用モデルプロジェクトになる。中国のエネルギー構造の戦略的調整に対し、前衛としての影響を及ぼすとともに、現地の住民に恩恵をもたらす」「このニュータウンは中国の他の都市にとっても新エネルギー総合利用のモデルになる」と言う。

 COP14の後、低炭素の生産、生活モデルは各国の追求する方向性になっているが、中国もまた、太陽エネルギーと風力エネルギーの集中する西部干ばつ地区において、再生可能エネルギーの総合利用による発展の道を模索し始めた。

 中国の一次エネルギーの中で石炭の占める比率は70%に上り、世界平均の29%をはるかに上回っている。国家能源局発展規画司の江冰司長は「2010年エネルギー・経済・発展」フォーラムにおいて、風力発電や太陽エネルギー等のクリーン・エネルギーを利用することが中国にとって急務であると指摘している。

 国家能源局がトルファンの新エネルギータウンの建設計画を承認したのは、地球の温暖化に対応するためであり、国の関係部門は、トルファンが現地の豊かな太陽エネルギー、風力や地熱を利用して国家級の新エネルギーモデル都市を建設することを支援しつつ、都市の建築や交通における各種新エネルギーの利用を模索し、現地においてスマートグリッド技術の研究と応用を進めるよう推奨する。

 トルファン市の蘇天成副市長によると、ニュータウンの人口は6万人、工期は10年、うち第1期では公共インフラ施設、集資統一建設住宅、中央水景公園、公共サービス施設等に重点を置き、今年末にはニュータウンに7,000戸、建築面積70万m2の集資統一建設住宅を完成させ、現地の政府庁舎や大企業が次々とニュータウンに移転することになる。政府の公表したニュータウンの住宅価格は1平米1,400〜1,600元である。蘇天成副市長は、建材価格が上昇しても、確定した住宅価格を変更しないとしている。

 トルファンは日照が十分あり、極度に乾燥している。年間日照時間数は約3,200時間に上り、同緯度の他の地区に比べ1,000時間多い。

 2008年10月、国際ユーラシア科学院、中国気象局風力・太陽エネルギー評価センター、北京市建築設計研究院、広州規画測量設計院等からなる研究チームがトルファンにおいて研究を展開した。新エネルギー技術総合利用型新都市の設計をテーマに、低エネルギー消費、低排出の都市建設モデルを模索している。

 (新華網 5月6日)

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