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中聯煤層気が民間資本を導入して「泌気南送」炭層ガスパイプライン建設を計画 (10/05/27)
2010/5/27
中国【新エネルギー】

 中聯煤層気は「泌気南送」パイプライン計画に着手している。5月24日、同社経営部の張政和副主任が明らかにした。

 1,000キロの炭層メタンガスパイプラインを敷設する計画。同プロジェクトには民間資本を導入する。山西省泌水盆地から、河南、湖北、湖南、江西の4省を通る。南陽、洛陽、鄭州など河南省の主要都市を経由し、湖北省の武漢は迂回し、宜昌には入って、湖南省の長沙と江西省の南昌に到る。

 山西省の炭層メタンガス関係者によると、中国国内の炭層メタンガス企業は中国石油天然ガス (PetroChina)を除いて、長距離ガスパイプラインを有しておらず、しかも、炭層メタンガスをPetroChinaのパイプラインに供給するにも価格や数量の制約があり、そのため、炭層メタンガスを近場で販売するか小規模な液化を行うしかない。今年4月、山西省で開かれた炭層メタンガス会議において、PetroChina規画総院の専門家は、炭層メタンガス資源の統一販売を提唱し、年産20億m3以上は国のパイプライン網に入れ、5〜20億m3は独立型パイプラインを敷設して近場に供給し、1〜5億m3規模は他のパイプラインに入れるかLNG事業を建設すべきとしたが、PetroChina以外の炭層ガス企業からは反対に遭った。前出の山西省炭層メタンガス関係者は、PetroChinaが国のパイプライン網を掌握している状況の下でこうしたやり方をすれば、PetroChinaが山西省の炭層ガス資源を一手に販売することになり、炭層メタンガス産業の発展にとっては不利であるとしている。

 中聯公司の孫茂遠董事長(会長)は、中央政府に意見書を提出し、長距離パイプライン公司の炭層メタンガス市場に対する独占を打破すべきであると指摘し、国は炭層メタンガスパイプラインの建設に出資すべきであるが、長距離パイプライン公司が買入と輸送の2つの形式を独占すべきではないとした。

 張政和副主任によると、中聯煤層気は天然ガスが不足している中部の省をメインターゲットとし、PetroChinaと中国石油化工(Sinopec)の主要市場である東部地区は避ける。武漢を迂回するのは、「川気東送」パイプラインと忠武パイプラインの2本によって武漢への天然ガス供給が相対的に充足するからである。

 「泌気南送」炭層メタンガスパイプラインの年間供給量は約40億m3。中聯公司は今後40億m3の炭層メタンガス生産量を形成する。なお、前出の山西省炭層メタンガス関係者は、炭層メタンガス第12次5ヵ年規画に基づき、規画期末には全国の地上炭層メタンガス生産量は100億m3に達し、泌水盆地の生産量はその60%を占めることになる。

 中聯公司の基本計画によると、全長1,000kmのパイプライン建設は、ゲートステーションを除外しても総投資額40億元前後に上り、中聯公司が経営権を掌握することを前提に、民間資本も含め資本誘致を図る。中聯公司は資金調達ルートとして、民間資本の導入、銀行からの融資とともに、上場も検討している。

 さらに、張政和副主任は、この泌水〜長沙パイプラインは「第1泌気パイプライン」に過ぎないと指摘する。中聯公司は、最終的には、パイプラインを、貴州等の西南地区や、珠江デルタ並びに香港に延伸することを考慮している。「第1泌気パイプライン」は2010年に計画案を完成し、2011年には本格準備に着手し、2012年には着工する。

 中聯公司のパイプライン建設によって、PetroChina等の石油企業によるパイプライン独占体制が打破されることになる。下流の都市ガス公司の幹部は、条件が折り合えば、長距離パイプラインに出資する意向であると語っている。

 (21世紀網 5月27日)