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【石油・天然ガス】

中国 天然ガス出荷価格引き上げも各地の対応に差異 (10/06/15)
2010/6/17
中国【石油・天然ガス】

 国家発展改革委員会は先頃通達を発し、国産陸上天然ガスの基準出荷価格を6月1日より1m3当り925元から230元、24.9%引き上げて、1,155元としたが、これは天然ガス価格改革のシグナルと見なされている。

 発展改革委員会に近い筋によると、関係部局は各省の発展改革委員会と物価局に対し、国家発展改革委員会のこの通達を厳格に実行し、基準価格引き上げに応じて期限通りに民生用ガス料金を値上げするよう求めているが、しかし、各地の天然ガス値上げをめぐる対応は、地方の状況により、あるいは需要家の違いによって、一様ではない。

 民生向けの場合、以前の規定では、1級天然ガスの基準出荷価格の変動幅は上限、下限とも10%とされていたが、今回の通達では上限10%、下限なしと規定されている。具体的な価格は需給双方が協議して決定することになり、当事者の自主権が拡大した。

 化学肥料メーカーの損失を緩和するため、化学肥料用天然ガスの値上げ措置は当面、見送られている。また、各地方は民生用ガスを値上げする場合、公聴会を開くことが必要であり、公聴会を経なければ値上げ出来ない。

 前出の発展改革委員会に近い筋によると、値上げ措置がなかなか実行に移されない理由は、第1に、値上げ措置を実際に行うのは決して容易ではないからである。第2に、今回の基準出荷価格の値上げは工業用の需要家に生産コスト上昇を強いることになり、そのため、企業に一定の猶予を与えることが必要だからである。

 天然ガスを原料とする多くの化学肥料メーカーは、天然ガス出荷価格とパイプラインタリフの引き上げによる影響で、今年の純利益が大幅に圧縮され、赤字圧力に直面するだろう。

 もっとも、天然ガス料金の値上げに踏み切る地方も次々と現れており、例えば、北京燃気は、1m3当り0.23〜0.25元、およそ10%前後の値上げを申請している。また、山東省や遼寧省などでも天然ガス料金の値上げが実施されつつある。

 (中国石油商務網 6月15日)