6月29日、国家電網公司が作成した《スマートグリッド技術標準体系計画》と《スマートグリッドコア設備(システム)開発計画》が北京で発表された。業界筋の見方では、中国のスマートグリッド開発「ロードマップ」が徐々にはっきりしてくるにつれて、関連産業に1兆元の巨大なビジネスチャンスがもたらされることになる。 国家電網公司スマートグリッド部の王益民主任の説明によると、《スマートグリッド技術標準体系計画》は国家電網公司によるスマートグリッド企業標準策定作業を指導する綱領的な文書であり、技術ガイドラインである。また、中国のスマートグリッド産業標準並びに国家標準を策定する上で重要な参考資料となる。一方、《スマートグリッドコア設備(システム)開発計画》は、コア設備の開発作業の行動綱領であり、科学研究やメーカーの設備開発のガイドラインであるとともに、関係する産業化発展計画を指導する根拠になる。 「スマートグリッドは世界的にも新しく生まれた存在。中国の現行のコア設備(システム)と技術の標準ではスマートグリッド建設の全ての要件に応じることが出来ない。系統的で、完備され、開放的で、しかも自主知財権を有するスマートグリッド技術標準体系を確立することは焦眉の急だ」と王益民氏は言う。 「スマートグリッドは主に、発電、送電、変電、配電、電力使用、電力指令の6大プロセス及び通信情報プラットフォームをめぐって建設を進め、在来型電力系統のあらゆる領域を全面的にカバーする」と、北京栄創信達科技発展有限公司の袁世雄副総経理(副社長)は「経済参考報」のインタビューに対して表明し、「中国のスマートグリッド建設によって巨大なビジネスチャンスが生まれる」とした。 長年スマートグリッド開発に関わっている専門家の試算によると、スマートグリッドが波及する産業は、電力設備、情報通信、新エネルギーなど極めて多く、中でも電力系統技術のビジネスチャンスは1兆元台に乗る可能性もある。 海外電力企業大手も「最も大きな発展と想像の空間を有する市場」である中国のスマートグリッドに好感しているとのことである。シーメンスのエネルギー事業分野において配電グループのCEOを務めるRalf Christian氏は、今後5年間、世界のスマートグリッドによってもたらされるビジネスチャンスは300億ユーロに達すると見ており、彼自身は中国のスマートグリッドの発展に大いに好感している。 ADD半導体の中国エリアマネージャーであるRobbin Luo氏は、「中国のスマートグリッドの応用はADD半導体の将来の発展にとって極めて重要な役割を果たし、ADD半導体の新しい先進技術に広大な応用のプラットフォームを提供することになる」と明確に表明した。 スナイダーも中国のスマートグリッドの「巨大なビジネスチャンス」に引かれ、今年5月、アジア太平洋エリア本部と中国エリア本部を北京望京科技パークに移転した。 しかし、29日に発表された《スマートグリッドコア設備(システム)開発計画》には、中国のスマートグリッド開発の重要な任務として「中国の電力装備産業の自主イノベーション能力、先進的製造能力並びに技術をリードする能力の全面的向上」を明確にするとともに、「コア設備開発計画を国家“第一重要技術装備”プロジェクト、“863計画”重要プロジェクト、“重要技術装備自主イノベーション指導リスト”、“科技支援計画”等の重要プロジェクトに盛り込むよう積極的に努力する」と表明している。 「中国のスマートグリッド建設は、自主イノベーションに立脚し、技術の質を保証することを前提に、自主製品と技術を重点的に採用し、もって中国の装備製造業の水準を高める」と国家電網公司の舒印彪副総経理(副社長)は「経済参考報」のインタビューに対して表明した。 これはスマートグリッドに関係する中国企業にとって大きなメリットになる。実際、2009年5月に国家電網が初めてスマートグリッド開発計画を発表して以来、国電南瑞、華為、中興など国内関連企業は行動を開始しており、スマートグリッド産業というケーキを勝ち取って、自社の発展を図ろうとしている。 さらに、電力系統と関係のない公司さえも計画を変更して、スマートグリッドへの参入を図っているケースもある。例えば、航天科工深圳公司は電力設備メーカー2社、深圳市泰瑞捷電子有限公司と西安亮麗儀器儀表有限公司の買収を発表した。航天科工はこれを基盤として、スマートグリッド建設分野への斬り込みを計画している。また、華立薬業は傘下の医薬企業を売却してまで、スマートグリッド分野に経営資源を集中しようとしている。 国家電網公司の専門家は、電力系統建設において中国企業の一部の設備と技術はすでに国際先端水準に達しているが、スマートグリッド分野では依然として比較的大きな格差が存在しているとの分析を示した上で、国内関連企業に対し「スマートグリッドのコア設備のコア技術において一層奮励努力しなければならないと」と警告した。 (経済参考報 6月30日)
6月29日、国家電網公司が作成した《スマートグリッド技術標準体系計画》と《スマートグリッドコア設備(システム)開発計画》が北京で発表された。業界筋の見方では、中国のスマートグリッド開発「ロードマップ」が徐々にはっきりしてくるにつれて、関連産業に1兆元の巨大なビジネスチャンスがもたらされることになる。
国家電網公司スマートグリッド部の王益民主任の説明によると、《スマートグリッド技術標準体系計画》は国家電網公司によるスマートグリッド企業標準策定作業を指導する綱領的な文書であり、技術ガイドラインである。また、中国のスマートグリッド産業標準並びに国家標準を策定する上で重要な参考資料となる。一方、《スマートグリッドコア設備(システム)開発計画》は、コア設備の開発作業の行動綱領であり、科学研究やメーカーの設備開発のガイドラインであるとともに、関係する産業化発展計画を指導する根拠になる。
「スマートグリッドは世界的にも新しく生まれた存在。中国の現行のコア設備(システム)と技術の標準ではスマートグリッド建設の全ての要件に応じることが出来ない。系統的で、完備され、開放的で、しかも自主知財権を有するスマートグリッド技術標準体系を確立することは焦眉の急だ」と王益民氏は言う。
「スマートグリッドは主に、発電、送電、変電、配電、電力使用、電力指令の6大プロセス及び通信情報プラットフォームをめぐって建設を進め、在来型電力系統のあらゆる領域を全面的にカバーする」と、北京栄創信達科技発展有限公司の袁世雄副総経理(副社長)は「経済参考報」のインタビューに対して表明し、「中国のスマートグリッド建設によって巨大なビジネスチャンスが生まれる」とした。
長年スマートグリッド開発に関わっている専門家の試算によると、スマートグリッドが波及する産業は、電力設備、情報通信、新エネルギーなど極めて多く、中でも電力系統技術のビジネスチャンスは1兆元台に乗る可能性もある。
海外電力企業大手も「最も大きな発展と想像の空間を有する市場」である中国のスマートグリッドに好感しているとのことである。シーメンスのエネルギー事業分野において配電グループのCEOを務めるRalf Christian氏は、今後5年間、世界のスマートグリッドによってもたらされるビジネスチャンスは300億ユーロに達すると見ており、彼自身は中国のスマートグリッドの発展に大いに好感している。
ADD半導体の中国エリアマネージャーであるRobbin Luo氏は、「中国のスマートグリッドの応用はADD半導体の将来の発展にとって極めて重要な役割を果たし、ADD半導体の新しい先進技術に広大な応用のプラットフォームを提供することになる」と明確に表明した。
スナイダーも中国のスマートグリッドの「巨大なビジネスチャンス」に引かれ、今年5月、アジア太平洋エリア本部と中国エリア本部を北京望京科技パークに移転した。
しかし、29日に発表された《スマートグリッドコア設備(システム)開発計画》には、中国のスマートグリッド開発の重要な任務として「中国の電力装備産業の自主イノベーション能力、先進的製造能力並びに技術をリードする能力の全面的向上」を明確にするとともに、「コア設備開発計画を国家“第一重要技術装備”プロジェクト、“863計画”重要プロジェクト、“重要技術装備自主イノベーション指導リスト”、“科技支援計画”等の重要プロジェクトに盛り込むよう積極的に努力する」と表明している。
「中国のスマートグリッド建設は、自主イノベーションに立脚し、技術の質を保証することを前提に、自主製品と技術を重点的に採用し、もって中国の装備製造業の水準を高める」と国家電網公司の舒印彪副総経理(副社長)は「経済参考報」のインタビューに対して表明した。
これはスマートグリッドに関係する中国企業にとって大きなメリットになる。実際、2009年5月に国家電網が初めてスマートグリッド開発計画を発表して以来、国電南瑞、華為、中興など国内関連企業は行動を開始しており、スマートグリッド産業というケーキを勝ち取って、自社の発展を図ろうとしている。
さらに、電力系統と関係のない公司さえも計画を変更して、スマートグリッドへの参入を図っているケースもある。例えば、航天科工深圳公司は電力設備メーカー2社、深圳市泰瑞捷電子有限公司と西安亮麗儀器儀表有限公司の買収を発表した。航天科工はこれを基盤として、スマートグリッド建設分野への斬り込みを計画している。また、華立薬業は傘下の医薬企業を売却してまで、スマートグリッド分野に経営資源を集中しようとしている。
国家電網公司の専門家は、電力系統建設において中国企業の一部の設備と技術はすでに国際先端水準に達しているが、スマートグリッド分野では依然として比較的大きな格差が存在しているとの分析を示した上で、国内関連企業に対し「スマートグリッドのコア設備のコア技術において一層奮励努力しなければならないと」と警告した。
(経済参考報 6月30日)