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【石油・天然ガス】

軽油不足が深刻に 石油製品値上げに踏み切るか? (07/10/30)
2007/11/22
中国【石油・天然ガス】

 上海、江蘇、浙江、広東を初め全国各地で軽油不足が深刻化し、サービスステーションでは販売停止や給油制限が相次いで発生している。

 広東省石油産業協会が先週発表した第4四半期石油製品需給予測によると、CNPC、SINOPECは第4四半期において広東省に石油製品420万トンを供給するよう計画していたが、不足は毎月40万トンに達する。広東市場の石油製品不足は一種の構造的不足であり、90号など低規格油の卸売・小売価格の逆転や売り惜しみが逼迫の原因となっている。

 上海市政府は上海の軽油供給を確保するため、CNPC、SINOPECと討議するなど対応に追われている。SINOPEC上海分公司筋は上海への供給を短期的に増やすとしているが、具体的な数字は挙げていない。また、CNPC上海分公司筋も、資源をかき集めて上海への軽油供給を確保するとしている。上海市は石油供給源との協調を進めているが、しかし、全国範囲で見た場合、石油製品の逼迫は当分続く可能性がある。

 国際油価はこのところ高値で推移しており、先週末には1バレル92.22ドルの過去最高を記録した。石油製品価格の引き上げは2段階に分けて行われるとされ、国慶節までに(9月中に)第1回の値上げが行われると取り沙汰されていたが、しかし、物価指数が高く、インフレ圧力が大きいため、国家発展改革委員会(NDRC)は石油製品小売中間基準価格の引き上げに踏み切らなかった。

 しかし、国際油価と国内油価の逆ザヤが大きく国内製油企業は製油の意欲に欠けるため、生産能力の伸びが限られ、その結果、需給のアンバランスを招いている。

 供給逼迫が続いているため、発展改革委員会の禁令に違反して勝手に軽油小売価格を値上げする民営サービスステーションも現われている。また、逆ザヤに耐え切れず店仕舞いした民営サービスステーションもある。中国商業聯合会石油流通委員会の調査によると、中国南部では2,000余りの民営サービスステーションが石油不足のため営業停止に追い込まれている。また、広東、江蘇、浙江ではその数はいずれも数百軒に上り、上海でさえも数十軒に上る。

 今回の石油不足によって、2大石油大手が再び発展改革委員会に対して石油製品の値上げを申請する空気が出てくる可能性がある。アモイ大学経済学院中国エネルギー経済研究センター主任の林伯強教授は、国際原油価格が絶えず上昇する一方で、国内油価が上昇していないことが軽油不足の原因であり、国際原油価格が下がらない限り、石油製品価格の引き上げは時間の問題であるとしている。

 (国際金融報 10月30日)