「ブラジルOGX社株買収について、中国海洋石油(CNOOC)はすでに撤退を決定している」と消息筋が先日明らかにした。海外M&Aをめぐる中国石油企業同士の悪性競争を防止するため。国家能源局と発展改革委員会は石油企業数社に対し海外買収に当たっては出来る限り協力するよう求めていた。中国石油化工(Sinopec)は引き続き買収計画を進める。

　今年8月、「21世紀経済報道」紙は、CNOOCとSinopecがブラジルの石油・天然ガス会社OGX社の株式の30％と一部石油・天然ガス資産を買収する計画であると報道した。

　OGX社はブラジルのリオデジャネイロに本社を置く新進総合エネルギー企業。2008年7月に上場し、この2年で大規模な石油・天然ガス田を発見している。

　OGX社の高官は今年9月、今回の株式売却価格は120〜140億ドルになるとの見通しを示していたが、その後株価が下落し、CNOOCに近い関係者によると、最終的な取引価格は100億ドル以下になる見通し。

　中国企業以外にも、シェブロン、ノルウェー国営石油StatOIlやエクソンモービル等の海外石油企業がOGX株買収の意向を表明している。

　（21世紀経済報道 12月31日）