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【石油・天然ガス】

中露原油パイプラインが1月1日より正式運営開始 (10/12/31)
2011/1/5
中国【石油・天然ガス】

 14年にわたる波乱に満ちた交渉と1年余りの苦難に満ちた建設を経て、中露原油パイプラインは2011年1月1日より正式運営を開始する。協定によると、ロシアは中露原油パイプラインによって中国へ毎年1,500万トンの原油を供給する。契約期間は20年。

 2009年2月、中露双方は中露原油パイプラインプロジェクトと「石油と融資の交換」契約の細目について、一致を見た。中国はロシアに250億ドルの長期ローンを提供することになった。金利は6%の固定利率。ロシアは原油を担保とし、原油供給によって借入金を返済する。ロシアは2011から2030年にかけ、パイプラインによって中国へ毎年1,500万トン、総計3億トンの原油を供給する。原油価格はロシア原油のナホトカ港到着価格を基準とし、市場価格に準じる。現在ロシアが鉄道経由で中国へ毎年輸送している原油は、パイプラインの供給合意による影響を受けない。

 大慶油田ではロシア原油受入のために10万m3の原油タンク18基を建設した。ロシア原油は大慶を中継した上で、撫順、秦皇島、大連等の製油プラントで処理される、また、中露双方は45億ドルを共同出資して中露東方石化天津公司を設けている。同製油所の株式は中国側が51%。ロシア側が49%を保有する。中露原油パイプラインによって中国に供給される1,500万トンのロシア原油のうち1,000万トンがこの合弁会社の需要を賄うことになる。

 中国能源網の首席情報官である韓暁平氏によると、中露原油パイプラインが運営を開始したことで、中露間のエネルギー協力は質、量とも向上する。中国は原油輸入先の多元化によって、原油のセキュリティを確保する一方、価格を有効に抑制することが可能になる。ロシアは、原油輸送コストを大幅に引き下げ、利潤の極大化を実現することが出来る。

 中国海関総署の統計によると、2010年上期に中国は合計1.18億トンの原油を輸入したが、うち869万トン、7.4%がロシア原油であった。中露原油パイプラインの運転開始によって、ロシア原油の比率は高まり、ロシアはサウジアラビア、アンゴラと並ぶ中国の3大原油輸入相手国になる。国家能源局の発表したデータからも明らかなように、2009年に中国の原油輸入依存度は警戒ラインの50%を初めて超えた。

 (中国化工報 12月31日)