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【エネルギー全般・政治経済】

日本の福島原発事故で中国内陸部の原子力発電所の着工が先送りも (11/03/16)
2011/3/17
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国で運転中の原子力発電所はすべて沿海地区にあるが、現在、湖南省桃花江原子力発電所、湖北省大●原子力発電所や江西省彭沢原子力発電所など、内陸部の原子力発電所建設計画が進められている。

 内陸部の原子力発電所建設計画で承認されたものは未だな1件もないが、日本の福島原発の爆発事故の影響で、果たして予定通り承認されるのかどうか、懸念が強まっている。

 第12次5ヵ年規画によると、中国の原子力発電規模は2015年には3,900万kWになるが、今後中国の原子力発電開発がペースダウンするのか、「原子力発電の生命線」である安全問題が見直されるのか、大きな関心を集めている。

 今年初めのエネルギー工作会議において、当時の張国宝国家能源局長は「安全確保を前提に原子力発電を効率的に開発する」と表明していた。

 湖南省桃花江原子力発電所の建設は進入道路の開通に止まっているが、湖南省の原子力発電専門家は、福島原発爆発事故の行方を見守っており、湖南の原子力発電所建設にとって教訓になると指摘する。桃花江原子力発電所は、計画通りに年内着工ができれば、2015年には完成するが、安全要因のために着工が先送りになる可能性もある。前出の専門家は、「我々はすでに20年も待った。安全運営のためにもっと待っても構わない」としている。

 原子力発電の大規模開発は第12次5ヵ年規画の重要な課題であるが、適度に開発ペースを落として、安全を確保すべきとの声も少なくない。中国電力科学院の蔡国雄副総工程師(副技師長)は、原子力発電開発が速過ぎると、いったん問題が大きくなれば極めて困難になると指摘し、原子力発電所の安全審査の仕組みを見直し、技術、人口密度、資源等の要素の他にも、沿海原子力発電所の立地に当たっては津波の可能性を十分考慮すべきと提言している。

 ●…「田」ヘンに「反」

 (3月17日 北京商報)