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【新エネルギー】

太陽光発電第12次5ヵ年規画の目標が大幅上方修正 (11/05/06)
2011/5/10
中国【新エネルギー】

 5月5日、国家発展改革委員会能源研究所の李俊峰副所長は、中国の太陽光発電応用の見通しについて、「2015年の国内の太陽光発電設備容量の目標を10GW(1000万kW)とし、2020年の目標を少なくとも50GW(5000万kW)にすると明確に表明した。

 この目標は業界内の予想よりもはるかに高く、今後10年、中国の太陽光発電設備の「加速」モデルが開かれることになる。また、業界関係者が明らかにしたところによると、系統連系電力価格政策の策定もすでに日程に上っているとのことである。

李俊峰副所長が上述の数字を挙げたのは、先日開催された第6回アジア太陽光発電産業フォーラムの合間に記者のインタビューを受けた際であった。

 同時に李俊峰副所長は、《新興エネルギー第12次5ヵ年規画》の存在を否定した。説明によると、発展改革委員会能源局が起草を担当している《太陽光発電第12次5ヵ年規画》はいずれ策定され、「一部の目標はこの計画にも記載されることになる」。その他に、今後、同規画に付帯する一連の政策措置も次々に策定されるに違いない。

 「これまで皆が言ってきた《新興エネルギー第12次5ヵ年規画》は今では古いコンセプトになった。最早この計画は存在していない」と、李俊峰副所長は言う。

 これより先、業界内では一般に、第12次5ヵ年規画期における太陽光発電設備の目標は5GW(500万kW)、第13次5ヵ年規画期の目標は20GW(200万kW)と言われてきた。しかし、最新の規画目標は当初の目標の2倍かそれよりも大きいものになることは明らかである。

 「将来の世界の太陽光発電設備は10億kW級になる。米国、中国やインドの市場は、現在世界最大の市場であるドイツの設備規模を大きく上回るに違いない。3〜5年後には、中国の太陽光発電市場が欧州市場よりもすっと大きくなることは間違いない」と、李俊峰副所長は自信たっぷりに述べた。

 一方、世界再生可能エネルギー協議会 (WCRE).のWolfgang Palz議長も異口同音に、ドイツ市場は当面は世界の太陽光発電産業の主要推進力であるが、中長期的に見ると、最大の推進力は、インドでも米国でもなく、中国市場であると指摘している。

 中国の太陽光発電産業の筆頭企業である尚徳電力(サンテック)の幹部からも、本紙記者が取材した際に、目下《太陽光発電第12次5ヵ年規画》の検証が業界で進められていること、すでに関係企業への意見聴取が行なわれていること、同規画の設備目標が正しく10GWであることが確認された。

 また、同筋は、業界が最も大きな関心を寄せている系統連系電力価格政策の策定もすでに日程に上っていることを明らかにし、「この政策が策定されれば、この数年のドイツにおけるような太陽光発電の爆発的な成長が、中国でも展開される」と述べた。

 現時点で中国はすでに世界最大の太陽電池生産国になっており、昨年は世界市場の55%のシェアを占めた。しかし、太陽光発電は相対的にコストが高いため、国内の太陽光発電設備の伸びは依然として緩慢である。昨年末時点の中国の太陽光発電系統連系総設備容量はわずか600MW前後に過ぎないと見られる。
 
 業界関係者の普遍的な見方では、太陽光発電規画目標が上述のように大幅に引き上げられることになれば、予想を上回る発展の可能性が中国国内の太陽光発電企業にもたらされる。

 A株上場公司の中でも、億晶光電の殻買い上場による海通集団や、ポリシリコン、薄膜、ユニット等の分野を一体にした太陽光発電企業である天威保変はいずれも整った太陽光発電産業チェーンを擁しており、中国の太陽光発電市場の発展が加速する中で、大きなパイに与ることが期待される。

 もっとも、その前に、一部のコア原材料メーカーが真っ先に利益を得る可能性の方が高い。

 「太陽光発電産業は今後5〜10年、急速に発展する。高収益と高成長の期待の下に、国内のソーラーシリコンチップや電池ユニットのメーカーは大幅に増産し、多くの企業の増産スピードは、次々に100%を超えるだろう」。国海証券のアナリストの予想によると、今後2年、関連補助材料や設備の需要は新たな爆発的成長を迎えることになる。

 国内の太陽光発電産業に「ビッグバン」がもたらされると、真っ先にブーストがかかるのはこうした補助材料と設備分野であり、中でもこの2つの分野で他に先駆けて国産化を実現した上場公司である。

 輸入品からの転換を基本的に実現した太陽光発電補助材料と設備の先駆メーカーには、精功科技、恒星科技、天龍光電、新大新材などがある。

 (中国証券網 5月6日)