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【新エネルギー】

新エネルギー車助成政策が変更の見込み ハイブリッド車への助成強化も (11/05/25)
2011/5/27
中国【新エネルギー】

 政策面で冷遇されていたハイブリッド車が改めて「奨励」対象になる可能性が出て来た。

 中国自動車工業協会の広報会において、董揚常務副会長は、「国は省エネと新エネルギーに関する総合政策を制定することになる。現行の政策から憶測して政府が電気自動車のみを支援し、ハイブリッド車を支援しないという見方があるが、これは誤解だ」と述べた。中国自動車工業協会は強い政策シグナルを送ったのであり、国の新エネルギー車推進戦略に若干の変化があることを示唆している。

 「昨年以降、国は純電気自動車とプラグイン式新エネルギー車を対象とする新エネルギー自動車助成策を打ち出したが、ハイブリッド車を対象とする政策は未だに制定されていない。このため多くのハイブリッド車メーカーは前途を悲観してきた」と、董揚常務副会長は述べ、「しかし、ハイブリッドは正しく今後発展する主要な技術路線になる」とした。

 昨年、政府は《新エネルギー車個人購入に対する実験的助成の展開に関する通達》の中で、純電気自動車に対する補助金を最高6万元、プラグイン式電気自動車については5万元としたが、ハイブリッド車については、『省エネ型自動車』の範疇に入れ、わずか3,000元という形ばかりの補助金を給付するに止まった。純電気自動車やプラグイン式電気自動車との余りにも大きな差に業界は非難の声を上げてきた」。

 間もなく策定される《省エネ型自動車及び新エネルギー自動車発展規画2011−2020年》の草案の中で、2011〜2015年にハイブリッド車の大規模産業化を実現し、ストロングハイブリッド乗用車とマイルドハイブリッド乗用車の保有台数を100万台超にするとの計画を打ち出している。しかしこれほど大規模な販売を実現するためには、強力な助成政策が必要である。

 「ハイブリッド車は、今後5年間は最も多く採用される新技術方式になる」と、董揚常務副会長はハイブリッド車に商業化の展望が広がっていることを暗示した。

 これより先、消息筋は、新エネルギー助成計画の改訂版が年内に公布され、新エネルギー車がより細かく区分され、助成額が引き上げられると述べていた。

 ハイブリッド車は技術的に成熟しているが、中国で花が開いたのは商用車分野だけであり、乗用車分野では鳴りを潜めている。しかし、政策の風向きが変化に企業は改めて関心を向け、特に嗅覚の敏感な合弁ブランドは早くもハイブリッド車推進の新たな計画に着手している。

 消息筋によると、一汽豊田は2012年に国産の形で新型プリウスを導入する。このモデルは長春で生産することになるが、これまで試験を行なってきたプラグイン式ハイブリッドバージョンではなく、海外で販売されている通常のハイブリッドタイプである。このモデルは今年中国に導入する計画であったが、排気量1.6リッターのため、昨年制定された新エネルギー車助成政策では補助金を受けることが出来ず、一旦は導入を中止し、プラグイン式プリウスのコンセプトカーを導入して走行実験を行なうことになった。しかし、今年になって、トヨタは最終的にハイブリッドシステムを搭載した新型プリウスを中国に導入することを選んだ。この判断は、政策の風向きを察知したためかもしれない。

 (中国新聞網 5月25日)