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【石油・天然ガス】

中国の石油化学産業には深刻な構造的過剰 (11/06/21)
2011/6/23
中国【石油・天然ガス】

 中国の石油化学産業の生産能力過剰は日増しに深刻化している。原油とエチレンを除き、ほとんど全ての加工製品の生産能力が余っている上、生産能力の闇雲な拡大も続き、深刻な資源浪費を招いている。しかも、その矛盾は絶えず深まりつつある。中国石化聯合会常務副会長の李寿生氏があるフォーラムで表明した。

 2010年の石油化学産業の総生産高は8.88兆元で、米国に次ぐ世界第2位。しかし、構造的な過剰、低い科学技術水準、省エネ・排出削減などの問題が依然として際立っている。

 李寿生氏によると、昨年の中国のメタノール生産能力3,840万トンに対し生産量はわずか、1,700万トン、稼働率は45%に過ぎなかった。尿素の生産能力6,600万トンで、国内需要の20%を超え、プラントの稼働率は75%足らずでしかない。苛性ソーダの稼働率は72%、PVCは54%である。

 在来型製品の大量過剰の一方で、ハイエンド石油化学品は深刻な不足を来たしており、一部のハイテク製品は未だに国内では空白状態にある。2010年に中国が輸入した有機化学品は3,121万トン、合成樹脂は3,069万トン、合成繊維モノマーは1,439万トンで、過去最大を記録した。

 「矛盾解決の鍵は、生産能力と盲目的な拡張を抑制することを前提に、在来型産業の類型転換とグレードアップを加速することだ。戦略型新興産業のイノベーションと育成を加速し、要衝を押さえて、産業の新たな成長材料を形成するのだ」と李寿生氏は言う。

 石油化学産業第12次5ヵ年規画は、産業の直面する問題に対して、未来の発展方向を示している。すなわち、科学技術のイノベーション、在来型産業の構造調整とグレードアップを通して、新しい科学材料、ハイエンド専用化学品、新エネルギー、バイオケミカル、省エネ・環境保護産業など戦略的新興産業を育成し、新たな成長材料を育て、産業全体の競争力を高めて、産業と資源、環境、社会の調和の取れた発展を実現する。

 (財経網 6月21日)