9月6日、中国石炭輸送販売協会主催の2011年アジア太平洋石炭市場高層フォーラムにおいて、多くの出席者は、中国も含むアジア太平洋地区は今後ともグローバル経済とエネルギー需要の主要な成長エンジンになると表明したが、国家発展改革委員会経済運行局石炭処の朱躍年処長は、中国国内のエネルギー需要の急増に懸念を示した。

　朱躍年処長によると、中国の石炭年産能力は40億トンを突破したが、当面のマクロ経済調整においては依然として、経済成長、経済構造、物価水準の三者の関係問題に直面しており、省エネ・排出削減とエネルギー消費総量規制目標の政策が打ち出されれば、石炭需要の伸び率が鈍化する可能性も排除できない。朱躍年処長は、今年初頭以来一部地区で発生した発電用石炭供給の逼迫は高温、干ばつ等の要因にも関係しているが、最も根本的な問題は不合理な経済構造や粗放な発展方式によってもたらされているエネルギー需要の急すぎる伸びと体制及び仕組みが十分に完備されていないことにあると述べ、この種の不合理な需要がもたらす急速な成長は持続できないとした。そして、このような状況を改めるためには、有効なエネルギー供給を増やすと同時に構造調整を推進し、改革を深化させ、エネルギー消費総量を合理的に抑制して、重点需要を賄うと同時に不合理な需要を抑制し、省エネ・排出削減を推進し、エネルギー利用効率を高める必要があるとした。

　米国の経済コンサルタント会社Global Insightのアジア首席エコノミストの予想によると、日本は来年震災からの強靭な経済回復過程を経るが、中国の経済成長率は今年に比べるとやや低下する、それでも8.3％の比較的高い水準を維持し、こうした高い経済成長はアジア太平洋地区の石炭貿易にチャンスをもたらすことになる。

　中国石炭輸送販売協会の董躍鷹事務局長の予測によると、中国の石炭需要の伸び率は、経済構造の調整と省エネ・排出削減の推進に伴って鈍化するが、山西、陝西、内蒙古の石炭生産は依然強い増産傾向を示す。今年の石炭年間輸入量は昨年の1.65億トンを下回るものの、依然として1.5トン前後の高水準を維持する。一方、ベトナム、オーストラリア、インドネシア等の石炭輸出国の関連政策によって、国際石炭価格が押し上げられる。

　（中国煤炭報 9月11日）