ロシア経済発展省の最新統計によると、2011年のロシアの石油生産量は過去最高を記録することになる。特に天然ガス生産量は6,710億m3、前年比3.4%増になる。石油生産量は2009年以降毎年最高記録を更新し、5.09億トンに達する。 ロシア天然ガス会社Gazpromのミレル社長はプーチン首相に報告した際、欧州の天然ガス需要が今後10年以内に2,000億m3増加するとの見通しを示し、またロシアからCIS以外の諸国への天然ガス輸出が2010年の1,387億m3から、今年は1,550〜1,580億m3に増えると指摘した。 ロシアは長年、エネルギー戦略の完備に力を入れており、特にエネルギー輸出によってロシア経済全体を牽引することを重視している。ロシアは全長6,000キロのパイプラインによってベラルーシ経由で欧州に石油を輸送し、また全長5,800キロのアマル・欧州パイプラインによってウクライナ経由でロシア産天然ガスを欧州に輸送している。これらのパイプラインは長年にわたって使用されているが、久しく改修がされていないため、潜在的なリスクがある。また、現在の供給量では将来の欧州市場の需要を賄うことは難しい。北東アジアでは、ロシアは主に建設中のESPO(東シベリア−太平洋)パイプラインによって太平洋沿岸諸国に石油を輸出することになる。世界的なエネルギー需要の増加など様々な要因により、ロシアは新しいエネルギー輸出ロードマップを実施し、エネルギー輸出ルートの配置を完備することを計画している。 ロシアは、建設を進めている「ノースストリーム」と「サウスストリーム」のパイプラインによって欧州諸国への天然ガス供給能力を高めることになる。ロシアは「ノースストリーム」パイプラインを欧州市場に直接つなげる。第1期が竣工すると、年間供給能力は275億m3になり、2012年に全線開通すると550億m3に高まる。ロシアはドイツを経てイギリス、フランス、ポーランド、チェコ等に天然ガスを輸送する見通しである。「サウスストリーム」はGazpromとイタリアのENIの共同であり、西シベリアの天然ガスを西欧に輸送する。100億ユーロを投じて、スロベニアから黒海を経てブルガリア、セルビア、ハンガリー、ギリシャ、オーストリア、イタリアを横断するパイプラインである。 北東アジア地区では、Gazpromは今年上期、日本の企業グループの極東ガスとの間で協定に調印し、天然ガス液化施設と天然ガス化学コンビナートの建設についてFSを展開することになった。同プロジェクトが2017年に完成すれば、LNGを日本へ毎年700万トン、韓国へ300万トン供給することが出来る。付帯の天然ガスパイプラインは2012年までに完成させる。このパイプラインは2006年に建設が決定された。ロシア極東地区の天然ガス供給を保証するだけでなく、アジア・太平洋諸国への輸出可能性も考慮に入れている。今年8月下旬、ロシアと北朝鮮は天然ガスパイプライン敷設で合意に達した。ロシアから北朝鮮を経て韓国へ天然ガスを輸送するパイプラインを建設する計画である。このパイプラインは全長1,100キロ、うち700キロが北朝鮮領内を通過する。完成すると年間100億m3の天然ガスを韓国に輸出することになる。 今年に入ってから、ロシアは北極の資源を共同開発する新たなパートナーを探している。8月、ロシア石油会社Rosneftはエクソンモービルと戦略協力協定に調印した。両社は北極科学研究センターを共同で設け、北極のエネルギー開発に共同で参画する。ロシア科学アカデミー会員のコントラビッチ氏によると、ロシアの石油・天然ガス会社の未来は北極海域と大陸棚の開発にかかっている。 長期的に見ると、世界のエネルギー需要は絶えず増加し、エネルギー貿易の規模は持続的に拡大することになる。政治的な要素も含む各種要因からの影響を出来る限り避けて、安定性と信頼性の高いエネルギー輸出を実現することはロシアにとって重要な意義を有する。専門家によると、ロシアから欧州、アジア・太平洋地区へのエネルギー輸出パイプラインの建設が進むにつれて、また、北極エリアのエネルギー開発の展開に伴って、ロシアのエネルギー輸出配置は次第に整い、その結果、国際エネルギー市場におけるロシアの地位はより一層強化されるだろう。 (経済日報 9月21日)
ロシア経済発展省の最新統計によると、2011年のロシアの石油生産量は過去最高を記録することになる。特に天然ガス生産量は6,710億m3、前年比3.4%増になる。石油生産量は2009年以降毎年最高記録を更新し、5.09億トンに達する。
ロシア天然ガス会社Gazpromのミレル社長はプーチン首相に報告した際、欧州の天然ガス需要が今後10年以内に2,000億m3増加するとの見通しを示し、またロシアからCIS以外の諸国への天然ガス輸出が2010年の1,387億m3から、今年は1,550〜1,580億m3に増えると指摘した。
ロシアは長年、エネルギー戦略の完備に力を入れており、特にエネルギー輸出によってロシア経済全体を牽引することを重視している。ロシアは全長6,000キロのパイプラインによってベラルーシ経由で欧州に石油を輸送し、また全長5,800キロのアマル・欧州パイプラインによってウクライナ経由でロシア産天然ガスを欧州に輸送している。これらのパイプラインは長年にわたって使用されているが、久しく改修がされていないため、潜在的なリスクがある。また、現在の供給量では将来の欧州市場の需要を賄うことは難しい。北東アジアでは、ロシアは主に建設中のESPO(東シベリア−太平洋)パイプラインによって太平洋沿岸諸国に石油を輸出することになる。世界的なエネルギー需要の増加など様々な要因により、ロシアは新しいエネルギー輸出ロードマップを実施し、エネルギー輸出ルートの配置を完備することを計画している。
ロシアは、建設を進めている「ノースストリーム」と「サウスストリーム」のパイプラインによって欧州諸国への天然ガス供給能力を高めることになる。ロシアは「ノースストリーム」パイプラインを欧州市場に直接つなげる。第1期が竣工すると、年間供給能力は275億m3になり、2012年に全線開通すると550億m3に高まる。ロシアはドイツを経てイギリス、フランス、ポーランド、チェコ等に天然ガスを輸送する見通しである。「サウスストリーム」はGazpromとイタリアのENIの共同であり、西シベリアの天然ガスを西欧に輸送する。100億ユーロを投じて、スロベニアから黒海を経てブルガリア、セルビア、ハンガリー、ギリシャ、オーストリア、イタリアを横断するパイプラインである。
北東アジア地区では、Gazpromは今年上期、日本の企業グループの極東ガスとの間で協定に調印し、天然ガス液化施設と天然ガス化学コンビナートの建設についてFSを展開することになった。同プロジェクトが2017年に完成すれば、LNGを日本へ毎年700万トン、韓国へ300万トン供給することが出来る。付帯の天然ガスパイプラインは2012年までに完成させる。このパイプラインは2006年に建設が決定された。ロシア極東地区の天然ガス供給を保証するだけでなく、アジア・太平洋諸国への輸出可能性も考慮に入れている。今年8月下旬、ロシアと北朝鮮は天然ガスパイプライン敷設で合意に達した。ロシアから北朝鮮を経て韓国へ天然ガスを輸送するパイプラインを建設する計画である。このパイプラインは全長1,100キロ、うち700キロが北朝鮮領内を通過する。完成すると年間100億m3の天然ガスを韓国に輸出することになる。
今年に入ってから、ロシアは北極の資源を共同開発する新たなパートナーを探している。8月、ロシア石油会社Rosneftはエクソンモービルと戦略協力協定に調印した。両社は北極科学研究センターを共同で設け、北極のエネルギー開発に共同で参画する。ロシア科学アカデミー会員のコントラビッチ氏によると、ロシアの石油・天然ガス会社の未来は北極海域と大陸棚の開発にかかっている。
長期的に見ると、世界のエネルギー需要は絶えず増加し、エネルギー貿易の規模は持続的に拡大することになる。政治的な要素も含む各種要因からの影響を出来る限り避けて、安定性と信頼性の高いエネルギー輸出を実現することはロシアにとって重要な意義を有する。専門家によると、ロシアから欧州、アジア・太平洋地区へのエネルギー輸出パイプラインの建設が進むにつれて、また、北極エリアのエネルギー開発の展開に伴って、ロシアのエネルギー輸出配置は次第に整い、その結果、国際エネルギー市場におけるロシアの地位はより一層強化されるだろう。
(経済日報 9月21日)