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【新エネルギー】

バイオディーゼル企業が下水油買取ゲリラ商人に歯が立たず原料不足に (11/10/01)
2011/10/12
中国【新エネルギー】

 地溝油(下水油)を食用油として再利用することは、ヤミの買取ゲリラ商人が不法な暴利を得る手段であり続けている。一方、バイオディーゼルを精製する正規企業は次々に原料不足の苦境に陥っている。

 固体廃棄物の総合利用を研究する陳登龍福建師範大学教授によると、中国国内の厨房ゴミから回収できる下水油は1,000万トン前後に上るが、バイオディーゼルに使用されるのは8%にもならない。その主な原因には、第1に、多くの都市で下水油回収のネットワークが不健全であり、十分に回収されていないことがある。第2に、下水油の回収と利用が依然混乱状態にあり、不法な回収業者と正規のバイオディーゼル企業が下水油を奪い合っているからである。「大型の外食企業や機関、学校の食堂など、廃棄油を販売することは飲食店の事業主や料理長、関係者の余禄になっており、これは業界内の暗黙のルールだ」。不法業者が下水油を買い取る価格は1トン当たり6,000〜7,000元に達しており、バイオディーゼルメーカーの500元程度の買取価格をはるかに上回る。不法業者は下水油を精製してレストランに1トン当たり9,000〜10,000元で売る。

 福建龍岩卓越新能源発展有限公司の葉活動董事長(会長)は、「我々の技術はすでに成熟しているが、原料供給が追い付かないことが産業の拡大を制約する主要要因になっている」と言う。同社は上海、北京など30余りの都市に下水油買取スポットを設けているが、原料不足によって年産25万トンの計画目標を達成することが出来ない。原料の下水油は不足によって価格が2005年の倍以上に高騰した。バイオディーゼル生産コストに占める原料コストの割合は2005年の50%から今では70%に高まっている。コスト増の圧力の下で、多くにバイオディーゼルメーカーは減産もしくは生産停止を余儀なくされていると、別のバイオディーゼルメーカーである福建源華能源科技有限公司の責任者も言う。

 (新華網 10月1日)