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【石油・天然ガス】

発展改革委員会等が天然ガス分散型エネルギーの発展を規範化 (11/10/14)
2011/10/17
中国【石油・天然ガス】

 10月13日、国家発展改革委員会、財政部、住宅都市農村建設部並びに国家能源局は合同で《天然ガス分散型エネルギーの発展に関する指導意見》を公布し、天然ガス分散型エネルギーの秩序ある推進を展開し、もってエネルギー利用効率を高め、構造調整と省エネ・排出削減を促進することを打ち出した。

 天然ガス分散型エネルギーとは、天然ガスを燃料として、冷気・熱力・電力の併給等の方式によりエネルギーの段階的利用を実現することを言う。総合エネルギー利用効率は70%以上になる。負荷のセンターから近いところでエネルギー供給を実現する現代的なエネルギー供給方式であり、天然ガスの高効率利用においても重要な方式になる。在来型の集中式エネルギー供給方式に比べ、エネルギー効率が高く、クリーンで環境保護性、安全性に優れ、オフピークを埋め、経済収益も良好である。

 《指導意見》は、天然ガス分散型エネルギーは国際間では急速に発展しているが、中国では未だにスタート段階にあると強調し、天然ガス分散型エネルギーの推進は現実的、戦略的意義が重要であるとしている。また、天然ガス分散型エネルギーは省エネ・排出削減効果も顕著であり、天然ガス利用を最適化するとともに、電力網と天然ガス管網の二重のオフピークを埋める役割を果たし、エネルギー供給の安全性を高める。現在、中国の天然ガス供給は日増しに増加し、スマートグリッドの建設も加速されている。専門企業も勃興し始め、天然ガス分散型エネルギーは中国において大規模発展の条件が備わっている。

 《指導意見》は、エネルギー総合利用効率の向上を主要目標とし、省エネ・排出削減任務の達成を手始めに、エネルギー負荷センターにおける地域分散型エネルギーシステムの建設やビルの分散型エネルギーシステム建設に重点を置くとしている。都市の工業団地、観光集中サービスエリア、エコパーク、大型商業施設なども含め、条件の備わっている地方において、ソーラー、風力、地熱ヒートポンプ等の再生可能エネルギーと結びつける形で総合利用を進める。

 また、《指導意見》は、関連する主要任務について次のように明確にしている。第12次5ヵ年規画初期は天然ガス分散型エネルギーのモデルプロジェクトを始動する。第12次5ヵ年規画期中は1,000件前後の天然ガス分散型エネルギープロジェクトを建設するとともに、それぞれ典型的な特徴を備える分散型エネルギーのモデルエリアを10ヵ所前後建設する計画である。今後5〜10年以内には分散型エネルギー設備の中核能力並びに製品の開発と応用の面で実質的な打開を遂げ、自主知財権を有する分散型エネルギー設備産業体系をほぼ形成する。

 《指導意見》は中長期目標についても明確にしている。2015年までに天然ガス分散型エネルギー主要設備の開発を完了する。モデルプロジェクトの応用を通して、設備規模を500万kWにするとともに、分散型エネルギーシステムの統合を解決し、設備の国産化率を60%にする。さらに設備規模を1,000万kWにするとともに、中小型、マイクロ型ガスタービンなど中核設備の自主製造を基本的に実現し、国産化率を90%にする。2020年には全国の一定規模以上の都市に分散型エネルギーシステムを普及させ、設備規模を5,000万kWとして、分散型エネルギー設備の産業化を基本的に実現する。

 (中国石化新聞網 10月14日)