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炭層ガス第12次5ヵ年規画が公布へ (11/10/11)
2011/10/20
中国【石炭】

 国家エネルギー諮問委員会の専門家であり、中聯煤公司の総顧問である孫茂遠氏は10月10日、2011年中国石油大会において、国家能源局が中心に進めていた炭層ガス開発利用第12次5ヵ年規画の起草作業が完了して、国家発展改革委員会に上程され、近日中に発展改革委員会から公布されることを明らかにした。同規画は第12次5ヵ年規画期の炭層ガス生産量を、第11次5ヵ年規画の100億m3の2倍以上に当たる215〜235億m3としている。

 また、孫茂遠氏によると、同規画は2015年には炭層ガス確認原始埋蔵量を8,500億m3増やし、地表炭層ガス生産量を90〜110億m3、坑内炭層ガス回収量を125億m3にすることを打ち出している。地表開発はパイプライン輸送を主として近隣で利用し、残りは対外輸送する。坑内ガス利用量は79億m3とし、利用率を60%にする。坑内ガスの民用ユーザーを260万戸、発電機設備容量を300万kW以上とする。

 炭層ガス探査開発面では、引き続き泌水盆地とオルドス盆地東周縁部に重点を置いて、山西柿庄南、柳林、陝西韓城など22件の探査事業を加速する。新疆、河南、安徽、貴州等の省・自治区でも探査を推進し、ジュンガル、焦作、宿州、織金など10件の探査事業を実施する。
 炭層ガス地表開発については、新疆、安徽、河南等で炭層ガス開発実験を展開する。

 坑内ガス回収については、重点鉱区において坑内ガス回収の大規模化を推進し、坑内ガス管理モデル炭鉱並びに坑内ガス回収利用モデル基地の建設を進める。炭層ガス産業化基地の建設については、泌水盆地とオルドス盆地に2大炭層ガス産業化基地を重点的に建設する。

 政府は2006年より炭層ガス産業への各種優遇政策を次々と打ち出している。主なものには、炭層ガス回収利用に対する0.2元/m3の助成金、炭層ガス発電の系統連系に対する0.25元/kWhの助成金や、付加価値税の還付、炭層ガス開発用物資の輸入に対する免税などがある。しかし、孫茂遠氏によると、炭層ガス開発利用は投資不足や金融難の問題に直面しており、坑内ガスの防止や炭層ガス開発利用に関する政策も十分に実施されていない。炭層ガスの法規や標準は不健全であり、石炭と炭層ガスの協調的な開発の仕組みも整っていない。炭層ガス開発利用に対する助成基準は極めて低い。孫茂遠氏は、炭層ガス回収利用に対する助成金を0.4元/m3前後に引き上げて、全社会が炭層ガス開発にもっと積極的になるようにすべきと提言した。

 (中国証券報 10月11日)