第2回中国国際原子力工業シンポジウムが香港で開催された。席上、中国原子力産業協会の趙成昆副理事長は、中国の原子力発電産業は現段階では「減速」局面を呈しているものの、「安全確保を前提に高効率に原子力発電を発展させる」方針が変わることはないとして、次のように述べた。

　福島原発事故は世界の原子力発電産業に重大な影響を及ぼした。各国はそれぞれの政治環境、エネルギー条件や市民の原子力発電リスクに対する認識及び受入レベルに応じて、異なる反応を示している。原子力の使用を放棄する国もあれば、原子力発電計画を先送りする国もある。また、より高い安全水準によって原子力発電開発を継続する国もある。中国については、政府は原子力発電開発計画とともに安全計画を打ち出し、関係部局は一連の安全目標、要件、措置や保障条件を策定して、安全で高効率の原子力発電の発展を確保することになる。福島原発事故発生後、中国政府は直ちに原子力発電企業に対し施設の全面的な安全検査を求め、福島事故を参考に改善措置を打ち出した。この検査結果から、「中国の原子力発電所の立地している地質環境において福島のような超大型地震や大津波が発生することはない」と考えられる。中国の第12次5ヵ年規画は「安全確保を前提に原子力発電所を高効率に発展させる」という方針を明確にしている。中国はエネルギー需要が巨大であり、石炭火力発電による環境汚染が深刻である。一方、原子力発電の大規模発展は科学研究、設備製造、事業建設や核燃料リサイクル産業の持続的な発展に波及し、産業の構造転換や国際競争力の向上にとって有利であるとともに、中国の原子力発電輸出の基礎を固める上でも有利である。

　（新京報 10月22日）