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中国
【石炭】

日本と中国の企業がカナダ石炭企業を共同買収 (11/11/02)
2011/11/10
中国【石炭】

 中国の石炭輸入企業永暉焦煤は10月31日、日本の丸紅と共同でカナダの原料炭生産企業Grande Cache Coal社を1株10カナダドル、総額9.8億カナダドルで買収すると発表した。

 中国はコークス用原料を戦略物資として重視しており、永暉焦煤の担当者は、「同社の炭鉱で産出する原料炭は主に中国市場向けであり、中国の巨大な原料炭需要を賄う」と述べた。鉄鋼産業が急拡大する中国は日本に次ぐ世界第2位の原料炭輸入国であり、昨年の世界の原料炭輸入量のうち中国と日本の合計で40%を占めた。

 永暉焦煤は2007年に英領バージン諸島に登記し、2010年には香港に上場した。同社の中核事業はモンゴルからの原料炭調達、運輸、販売であり、中国の鉄鋼企業を主な顧客としている。永暉焦煤の今年上期の石炭販売量は550万トン、前年同期比26.7%増になった。
 Grande Cache Coal社はカナダ西部の4大原料炭生産企業の一つ、アラバータ州中西部にある同社の炭鉱は目下拡張中であり、2013年3月までに年間生産量を350万トンに増やす計画である。同炭鉱の埋蔵量は3.46億トンに上ると見られ、うち確認埋蔵量は2.02億トン。なお、中国税関統計によると、中国の昨年の原料炭総輸入量は4,727万トンに上った。

 永暉焦煤がなぜ日本と共同買収を行うかについて、前出の担当者は「日本にも多くの製鋼企業があり、中国と同様に原料炭が不足しているので、中国とは共通の利害がある」と述べた。買収が成功すれば、永暉焦煤はGrande Cache Coal株の60%を保有し、丸紅は40%保有することになる。
 日本と中国の企業が海外石炭事業を共同で買収するのは初めてではない。中国神華はモンゴルのTavan Tolgoi事業への入札に際して、日本の三井物産を協力パートナーとしている。

 (東方早報 11月2日)