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【石炭】

中国がコークス炉ガス製SNGの新技術を開発 (11/11/22)
2011/12/2
中国【石炭】

 中国工程院の謝克昌院士が指導し、太原理工大学の苗茂謙教授等が共同で完成させたコークス炉ガス低温熱交換式メタン化合成天然ガスの新技術が11月13日、山西省科技庁が組織した専門家の検定にパスし、コークス炉ガスによる天然ガス合成の新たな方法が開かれた。

 この技術は山西同世達煤化工集団においてすでに工業試験に成功しており、目下多数の企業と産業化の契約を結んでいる。事業の責任者である苗茂謙教授によると、この技術は、太原理工大学、山西同世達煤化工集団、杭州林達化工技術工程有限公司及び大連普瑞特化工科技有限公司の4機関が共同で開発した。国内外で行われている断熱式技術に比べ、工程が短く、投資が少なく、コストが低い。また、低温反応によって触媒剤の高温による不活性化が避けられるので、エネルギー消費を大きく引き下げるとともに、メタン化効率を大幅に高めている。試験結果から明らかなように、温度250〜350℃、圧力0.4MPa、対気速度毎時5,000〜7,000の条件の下で、一酸化炭素の転化率は100%、二酸化炭素の転化率は90%以上に達する。とりわけ、「2段階・2吸着」脱硫技術によって、中温有機硫触媒剤の酸素毒性、カーボン付着、脱硫剤の副作用や硫化物回収等の問題を解決した。新型リアクターは工程が簡略化され、パイプへの投資は大幅に減り、低中温固結防止炭素ニッケルベースメタン化触媒剤の反応効率を大幅に高めた。

 コークス生産能力60万トン以上の企業はこの技術によってコークス炉ガス製合成天然ガスプラントを建設することが可能であり、コークス炉ガスによって合成天然ガス(SNG)を生産することで、エネルギー利用効率を80%以上に高めることが出来る。技術の視点から分析すると、コークス炉ガスによるSNG生産は工程が比較的単純であり、技術投資は安くすむ。この技術の応用が進むと、コークス炉ガス排出による環境汚染や資源浪費問題の解決が期待される。

 中国が大気中に直接放出するかもしくは無駄に焼却するコークス炉ガスは年間200億m3以上に達している。外に排出されるコークス炉ガスの発熱量は西気東輸パイプラインガスの総発熱量の60%に相当する。山西省だけでも年間40億m3のコークス炉ガスが燃焼されるか放出されているが、これは20億m3の天然ガスを損失するに等しい。コークス炉ガスをSNGに生成すれば、投資額は石炭由来のSNGの5分の1ですみ、直接的な経済収益は約20億元になる。その上、大部分の地区は天然ガスパイプライン網に接続する条件を備えている。

 (中国企業新聞網 11月22日)