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【石油・天然ガス】

トルクメニスタンがロシアを迂回するEU向け天然ガス輸出ルートを準備 (2007/11/16)
2007/11/16
アジア【石油・天然ガス】

 トルクメニスタン大統領ベルドイムハメドフはロシアを迂回してEUに天然ガスを供給することに同意し、ピエバルグス欧州委員会エネルギー担当委員との間で了解覚書に調印した。

 同覚書には、トルクメニスタンがロシアを迂回してEUに直接天然ガスを供給することが規定されており、ピエバルグスによると、同覚書では天然ガスパイプラインの敷設に関する具体的な提案はされていないが、パイプライン建設も検討中とのこと。

 トルクメニスタンがEUに天然ガスを輸出するルートには、第1にロシア経由、第2にカスピ海横断天然ガスパイプライン、第3にイラン経由の3つの案がある。第1のロシア経由は、EU・ロシア・トルクメニスタンの三者による条約締結の可能性があれば、トルクメニスタンは欧州への天然ガス輸出規模を拡大できる。第2のカスピ海横断天然ガスパイプラインは年間輸送力300億m3、完成すれば、トルクメニスタンだけでなく、カザフスタンやウズベキスタンもこのパイプラインによって欧州に天然ガスを輸出できるが、カスピ海の地位に関わる問題など様々な問題に直面する。また、パイプライン幹線の起点をめぐってカザフスタンとトルクメニスタンには隔たりがある。第3のイラン経由は、イラン情勢が安定しなければ実現は不可能である。

 ベルドイムハメドフ大統領は、2030年までにトルクメニスタンの天然ガス生産量を倍増させて、2,500億m3にすると宣言している。しかし、これは中期的な見通しに過ぎず、トルクメニスタンの輸出規模には今のところ実質的な増加が見られない。したがって欧州に供給するに足る十分な予備はないだろう。

 なお、トルクメニスタン政府の計画によると、今年の天然ガス生産量は700億m3に拡大し、うち500億m3がロシアへ、140億m3がイランへ輸出される。

  (中国新聞網 11月16日)