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【原子力】

中国とカザフスタンが原子力分野の協力で合意 (2007/11/19)
2007/11/19
中国【原子力】

 英国「フィナンシャル・タイムズ」11月19日付報道によると、中国とカザフスタンは原子力分野における協力で合意、カザフスタンは中国とウラニウム資源を共有することに同意し、その見返りに中国の原子力発電施設の株式を得ることになった。今回の提携は世界で最も発展の速いウラニウム生産国と原子力発電大国が結びついたものとして注目される。

 カザフスタン国営原子力公社(Kazatomprom)社長Moukhtar Dzhakishevは、「カザフスタンのウラニウム生産施設の株式と中国の原子力発電施設の株式を交換する。外国企業が中国の原子力企業の株主となることを中国側が承認するのはこれが初めてだ」と述べた。

 Dzhakishevによると、中国核工業集団(China National Nuclear Corp)と中国広東核電集団(China Guangdong Nuclear Power Corp)はカザフスタン国内のウラニウム会社の株式の49%を共有し、Kazatompromは残りの51%を保有する。その見返りに、Kazatompromは中国の核燃料加工工場又は原子力発電所の株式を取得する。

 中国政府が署名する協定の詳細については、来月までには取りまとめられる予定である。

 今回の提携は中国の原子力産業にとっては大きな打開であり、中国は今後中央アジアにおいてエネルギー資源獲得攻勢をますます強めることになろう。

 中国政府は2020年までに40基の原子力発電所を新たに建設して、汚染の深刻な石炭火力発電への依存を引き下げるよう計画している。しかし、中国のウラニウム埋蔵量は、カザフスタンに近い新疆自治区の埋蔵量も含め、目下低下しつつある。一方、カザフスタンは2010年にはウラニウム生産量を2倍以上に増やそうと計画しており、それが実現すれば、カザフスタンはカナダ、オーストラリアを抜いて世界最大のウラニウム生産国となる。

 この3年、石油価格の高騰によって、石油代替エネルギーとしての原子力が再び注目されるようになり、ウラニウム価格はすでに高騰している。

 (「財経」雑誌ウェブサイト 11月19日)