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【エネルギー全般・政治経済】

国家エネルギー発展戦略の起草が今年スタート (12/01/11)
2012/1/13
中国【エネルギー全般・政治経済】

 2012年に中国は《国家エネルギー発展戦略》の起草作業に着手して、中国のエネルギー発展の全体構想と戦略図を打ち出すとともに、石炭、電力、製油、石炭高度加工、シェールガス、天然ガス、炭層ガス、再生可能エネルギーといった一連の産業政策策定に取り組むことになる。

 1月10日に北京で開かれた全国エネルギー工作会議は、2012年には新規石炭生産能力を2億トン増やし、新規電力設備容量を7,000万kW前後増やすとしている。

 同会議から伝わってきた情報によると、中国は今後エネルギー体制改革のトップデザインと全体計画をより一層重視し、改革の構想と方案を研究、制定し、重点分野と中核プロセスにおいて新たな打開を遂げるよう努めることになる。

 新規石炭生産能力2億トン

 同会議を主催した国家発展改革委員会副主任兼国家能源局長の劉鉄男氏は、2012年に中国はエネルギー工作において危機意識を強め、エネルギー供給保障能力を強化し、エネルギー構造調整を強力に推進し、経済と社会の着実かつ比較的急速な発展のために有効なエネルギー供給を保障しなければならないと述べた。

 「13億の人口の永続的なエネルギー資源の利用を維持することは永遠の使命だ」と劉鉄男局長は述べた。2012年、中国はますます熾烈を極める国際エネルギー資源競争に直面する一方、国内のエネルギー需要は急過ぎる増加を示し、省エネ・排出削減情勢は一層厳しくなり、エネルギー供給保障への圧力はますます大きくなる。構造調整と総量規制の任務はますます緊迫の度を深める。2012年の中国のエネルギー工作の重点は第12次5ヵ年規画の実施にある。劉鉄男局長によると、中国は、エネルギー開発の計画配置を最適化し、重要エネルギープロジェクトの秩序ある建設に着手し、エネルギー生産総量の安定を確保し、重点エネルギー生産基地やエネルギー輸送ルートの建設、そして、石油、天然ガス、石炭等の備蓄能力の建設を強化することになる。2012年には新規石炭生産能力を2億トン、新規電力設備容量を7,000万kW前後増やす。

 国家エネルギー発展戦略の起草

 同会議で示されたデータによると、エネルギー構造調整の面では、2012年、中国は生態系保護と住民のスムーズな移転を前提に水力発電開発を積極的に進め、水力発電の新規着工規模を2,000万kWとする。安全確保を基礎として、原子力発電の効率的な発展を進め、《原子力安全規画》と《原子力発電中長期発展調整規画》の起草に取り組み、承認を得た上で実施に移す。同時に、天然ガス産業の協調的な発展を促進し、国内生産の急速な増加を実現するとともに、非在来型天然ガスの発展に力を入れる。風力発電の秩序ある発展を積極的に進め、第12次5ヵ年規画第2期の1,500〜1,800万kW規模の風力発電所建設計画を組織的に実施する。また、太陽エネルギーの開発を積極的に進め、第12次5ヵ年規画第1期の300万kW規模の開発計画を組織的に実施する。

 民生面では、今年は60万の電力未利用人口の電力使用問題を解決する必要がある。第12次5ヵ年規画期には500万の電力未利用人口の電力使用問題解決に努める。第12次5ヵ年規画期には天然ガス利用人口を1億人増やし、総量を2.5億m3とする。

 その他にも、第12次5ヵ年規画の各種エネルギー計画を適切に実施する。規画に基づいて重要プロジェクトの許認可を行い、対応する政策措置の策定と公布を進める。2012年に中国は《国家エネルギー発展戦略》の起草作業をスタートさせ、中国のエネルギー発展の全体構想と戦略図を打ち出すとともに、石炭、電力、製油、石炭高度加工、シェールガス、天然ガス、炭層ガス、再生可能エネルギーの産業政策策定に取り組む。

 エネルギー消費総量の合理的な規制

 劉鉄男局長は、中国はエネルギー消費総量を合理的に規制しなければならないと強調し、割当の仕組みを確立し、監督と審査を強化し、政策法規を完備して、第12次5ヵ年規画期にはエネルギー消費総量を合理的に規制する仕組みを確立するよう努力しなければならないとした。構造調整を強化し、発展方式の転換に力を入れ、エネルギー消費総量を合理的に規制する「強制的な仕組み」が効果を発揮するようにさせ、エネルギー消費総量とエネルギー強度の二重の規制を実行して、経済発展の質と収益を高める。

 劉鉄男局長は、エネルギー危機意識は決して根も葉もないものではないと強調した。ゴールドマンサックスの最新予測によると、中国経済の成長は鈍化するにも関わらず、石油需要は堅調が続き、中国は今後18ヵ月以内に米国に代わる世界最大の石油輸入国になる。

 日増しに膨張する中国国内の石油需要を賄うため、中国の石油御三家(SINOPEC・CNPC・CNOOC)は、海外における開拓・拡張をますます拡大させることになる。中国石油天然ガス集団(CNPC)は1月9日、2011年の海外石油ガスの作業生産量が1億トンを超え、権益生産量が5,170万トンに達したことを明らかにした。これは海外にもう一つの大慶油田を建設したことに等しい。
 
 中国のもう一つの石油メジャーである中国石油化工集団(SINOPEC)も先週、傘下の国際石油勘探開発公司が2011年末時点で獲得した海外権益油が2,288万トンに達したと発表した。同公司は2012年には2,700万トンの権益原油生産を実現する見込みであり、さらに第12次5ヵ年規画(2011〜2015年)期末には5,000万トンを突破するだろう。

 (東方早報 1月11日)