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中国
【新エネルギー】

膨張し過ぎた中国の太陽光発電産業 (12/02/07)
2012/2/16
中国【新エネルギー】

 「風光無限」と言われていた中国の太陽光発電産業は、生産能力過剰、需要の委縮によって未曽有の困難に陥っている。中国の太陽光発電産業4大手の英利集団(インリー)、尚徳太陽能電力有限公司(サンテック)、天合光能有限公司、賽維LDK太陽能電力有限公司の第3四半期の赤字は合計2.9億ドルになる。

 昨年末の中国太陽光発電産業の需給アンバランスをもたらしたのは、市場経済の発達と資本の利益追求の結果である。中国の太陽光発電市場には構造の不合理と海外市場への強い依存という現状がある。太陽光発電産業に携わる中国企業は数百社に上り、その8、9割は国際市場、特に欧州市場に販売している。ここ数年、業界大手であれ、中小企業であれ、海外市場の変動リスクを顧みず、国内市場の開拓に力を入れなかった。しかし、債務危機に起因する欧州諸国の太陽光発電市場萎縮は、中国の太陽光発電産業の収益の一直線の下落という結果をもたらした。

 もう一方では、各地の地方政府の新エネルギー産業開発ブームが過熱し、国内外からの投資が中国国内市場に無秩序な競争と生産能力の拡大をもたらしたことも、太陽光発電の現状を招いた元凶の一つである。ハイテク産業である太陽光発電産業という新たな「金のなる木」は政治業績と利益の種となり、破壊的なまでの熱意で進めたツケが回ってきたのである。この2つの作用により、中国の太陽光発電企業は、最初期は100社足らずであったのが、今では500社余りに膨れ上がり、中国国内の生産能力はすでに30〜40GWに達していると見られる。一方、2011年の世界の太陽光発電設置容量はせいぜい21GWであった。つまり、世界が中国の太陽光発電だけを使ったとしても、中国は生産能力の3分の1から2分の1を放置して、工場を閉鎖しなければならないということである。中国の太陽光発電産業にはすでにバブル化の兆しが現れている。バブルが大きくなればなるほど、いったん破滅すると必然的により一層広い範囲に影響が及び、傷もますます深くなる。中国ソーラーネットは、こうした点について政府と太陽光発電業界が警戒しなければならないとしている。

 (全球節能環保網 2月7日)