中国の新エネルギー企業は危機に瀕している。中国国内の状況を見ると、収益率はますます下がり、状況は全体的に芳しくない。海外市況も楽観を許さず、産業全体が動揺し、多くの中国企業に信用危機が生じている。米国で上場した中国企業には上場撤回を検討し始めているものさえある。

　新エネルギー産業の問題はあまりにも多く、同分野への投資の伸びも鈍化した。こうした背景の下で、環境保護分野はますます重視されるようになった。最近開催された第5回クリーンテクノロジー投資サミットにおいても、一部のプライベートエクイティファンドの代表は新エネルギー投資に対してあからさまに慎重な姿勢を示す一方、土壌修復など環境保護分野に対する大きな関心を明確に示した。

　中国工程院の羅錫文院士によると、全国の耕地の6分の1が重金属汚染の脅威を受けつつある。経済が発達すればするほど、土壌汚染がますます深刻化している。例えば、広東省で重金属汚染を受けていない耕地はわずか11％に過ぎない。

　環境修復は新エネルギーに代わる次の投資の「鉱脈」になれるのだろうか。

　「中国の環境汚染は極めて深刻だ。特に土壌の破壊は非常に深刻。菜食であれ、肉食であれ、いずれも問題がある。すでに一部の企業が有機土壌修復を試みている。我々は特にこれらの技術に関心を持っている」と、Westly Group大中華エリア総裁の陸景鍇氏は言う。陸景●氏の見るところでは、中国は人口密度が世界で最も高い国の一つであり、修復が必要な土地は膨大であり、市場は巨大である。実際、中国の環境汚染問題はすでに久しいが、特に最近は食品安全問題が度々表面化している。しかしながら、中国の環境保護市場の発展は遅れを取っている。中国の環境保護市場は小さく、規模の大きい会社がないのが現状であり、専門の土壌修復会社もない。

　《国家環境保護第12次5ヵ年規画》は、第12次5ヵ年規画期に8件の環境保護重点プロジェクトを優先的に実施すること、環境保護投資に約3.4兆元を要することを明確にしている。圓基環保資本の郭東軍理事は、市民の環境保護意識の高まりと政府の政策強化に伴い、環境保護市場には大きなチャンスがあると指摘する。

　しかし、環境保護市場の打開は技術問題に直面している。郭東軍氏は事例を挙げて次のように説明した。過去5年、中国の水処理産業は融資環境や商業モデルの点では変化したものの、技術のイノベーションは未だ然るべき作用を発揮していない。企業には、いずれもイノベーションの動力不足の問題が付きまとっている。「新エネルギー産業の爆発的な成長は技術によって推進された。環境管理も技術面においてもっと大きな打開が必要だ」。また、環境管理のサービス対象は往々にして政府であり、そのことも産業の発展を制約しており、全国的なリーディングカンパニーの出現を困難にしている。郭東軍氏の指摘によると、中国の行政の力は強大であり、政府系統内の一部環境管理公司が実質的に市場を分割している。さらに、環境保護市場は政府の資源を必要とするため、企業は地域的公司が主となり、全国的な公司は一握りに過ぎない。もっとも、郭東軍氏は「技術と市場のコスト競争に推進される形で環境保護産業は一定の統廃合が進むに違いない。全国的なリーディングカンパニーも必ず出現すると確信する」と述べた。

　陸景●氏によると、政府の政策は大きく変化しつつあり、最終的にツケを支払うのは必ずしも政府ではない。中国石油天然ガス(PetroChina)や中国石油化工(SINOPEC)は枯渇油性付近の環境修復を求められている。「遅かれ、早かれ、企業がツケを支払う市場環境に向かうに違いない」と陸景●氏は言う。

　（科学時報 4月5日）

　●…金偏に「皆」