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中国
【新エネルギー】

バイオジェット燃料には有望な前途と課題が併存 (12/04/10)
2012/4/19
中国【新エネルギー】

 国家民航局は今年11月までに中国石油化工(SINOPEC)の1号バイオジェット燃料の航空適用審査を完了して、年内にもバイオジェット燃料による商用飛行を行う計画である。

 安全は航空業界にとって最も重要であるが、ソーラーや原子力などはいずれも商業航空分野で使用することは難しく、航空用に選択可能な再生可能エネルギーはバイオ燃料だけである。バイオ燃料は近年航空業界のホットな話題になっており、多くの航空会社は相次いで試験飛行に成功している。カンタス航空は4月13日から初のバイオ燃料による定期便を運航する。国際民間航空機関(ICAO)の予想によると、2020年には中国の民用航空機の注油量は4,000万トンに達し、バイオジェット燃料は総量の30%を占めることになる。バイオ燃料を商業航空分野で利用することは技術的には最早難しくはないが、大規模な商用化を進めようとするならば、依然として課題が多い。

 バイオ燃料のコストは在来燃料の1.5〜2倍である。コストを引き下げようとするなら、量産を実現することが必要である。しか、中国には成熟したバイオ燃料の供給システムが未だ確立していない。バイオジェット燃料の開発と生産には大規模な投資が必要である。また、バイオ燃料の原料供給も大規模商用化にとって大きな障害である。使用可能な植物栽培量が限られているため、持続的で信頼できる供給源をいかにして確保するかが大きなハードルになる。

 政府は然るべき法規を制定し、新たな原料供給源の育成と精製技術の研究を進め、航空会社がバイオ燃料を使用するよう奨励して、バイオジェット燃料の健全で秩序ある発展を促進すべきである。

 (4月10日 科学時報)