7年にわたって先延ばしになっていた天然ガス出荷価格の改革はようやく実質的な進展を遂げ、改革案が国務院に提出された。これより先、広州・広西で実験された市場の需給関係と資源の不足程度を反映する「市場ネットバック価値」の動態的価格調整の仕組みが全国範囲に広げられる見込みである。 業界関係者の分析によると、現行の「コスト加算」による天然ガス出荷価格の決定方法では市場価値をより良く反映させることが出来ず、「輸入価格との逆さや」や「一つの地区に複数の価格」、コストの不透明といった問題をもたらしている。その上、天然ガスの対外依存度が日々高まる中で、天然ガス価格改革は必然の流れになっている。改革にとって当面は比較的好ましい時機であるが、価格改革の実施に伴って新たな天然ガス価格の上昇は不可避になる。 発展改革委員会は昨年、広東と広西で天然ガス価格形成制度の改革実験を展開し、市場の需給と資源の不足程度を反映する動態的価格調整のメカニズムを模索している。改革実験案の全体的な考え方は、現行のコスト加算を主とする価格決定方法を「市場ネットバック価値」による方法に改めることである。価格計算の基準点と代替可能なエネルギー品目を選択して、天然ガスと代替エネルギーの価格が連動する調整の仕組みを確立するとともに、基準点価格を基礎に天然ガスの流れやパイプライン輸送費も総合的に考慮に入れて、各省・自治区・直轄市の天然ガスシティゲート価格を確定する。 卓創資訊のアナリストである李氏によると、天然ガス価格改革によって一部地区の天然ガス価格が押し上げられる公算である。価格が上昇するかどうかについては2種類のケースが考えられる。主に輸入天然ガスに依存する都市の場合、改革後の価格が若干低下する可能性があるが、国内パイプラインガスに依存する都市の場合、価格は間違いなく上昇する。 アモイ大学中国エネルギー経済研究センターの林伯強主任は、広東と広西の天然ガス価格改革実験は比較的容易であると指摘する。なぜならこれら2省の天然ガスは主に輸入に依存しており、改革前後の価格変動が小さく、改革に困難は見出せない。しかし、四川省のように国内パイプラインガスに依存する省の場合、価格は約1.5元/m3上昇するだろう。 「現在中国のエネルギーに占める天然ガスの比率は4%足らずであるが、2015年には8%に達し、うち40%が輸入に依存する。現在は改革の好機であり、たとえ改革に「良くない影響」が出たとしても、市場とエネルギー構造に根本的に影響が生じることはない。しかし、第12次5ヵ年規画終了後に改革すると、改革のコストと困難はいずれも大きくなる」と、林伯強氏は分析する。また、中国能源網の首席情報官である韓暁平氏の見方では、通貨の下落とインフレの圧力に加えて、人件費、輸送費、販売コストの上昇によって、石炭・電力・石油・天然ガスの値上げも許容される。今後一定の期間は、いずれの資源価格も上昇傾向が続くだろう。 (北京商報 5月8日)
7年にわたって先延ばしになっていた天然ガス出荷価格の改革はようやく実質的な進展を遂げ、改革案が国務院に提出された。これより先、広州・広西で実験された市場の需給関係と資源の不足程度を反映する「市場ネットバック価値」の動態的価格調整の仕組みが全国範囲に広げられる見込みである。
業界関係者の分析によると、現行の「コスト加算」による天然ガス出荷価格の決定方法では市場価値をより良く反映させることが出来ず、「輸入価格との逆さや」や「一つの地区に複数の価格」、コストの不透明といった問題をもたらしている。その上、天然ガスの対外依存度が日々高まる中で、天然ガス価格改革は必然の流れになっている。改革にとって当面は比較的好ましい時機であるが、価格改革の実施に伴って新たな天然ガス価格の上昇は不可避になる。
発展改革委員会は昨年、広東と広西で天然ガス価格形成制度の改革実験を展開し、市場の需給と資源の不足程度を反映する動態的価格調整のメカニズムを模索している。改革実験案の全体的な考え方は、現行のコスト加算を主とする価格決定方法を「市場ネットバック価値」による方法に改めることである。価格計算の基準点と代替可能なエネルギー品目を選択して、天然ガスと代替エネルギーの価格が連動する調整の仕組みを確立するとともに、基準点価格を基礎に天然ガスの流れやパイプライン輸送費も総合的に考慮に入れて、各省・自治区・直轄市の天然ガスシティゲート価格を確定する。
卓創資訊のアナリストである李氏によると、天然ガス価格改革によって一部地区の天然ガス価格が押し上げられる公算である。価格が上昇するかどうかについては2種類のケースが考えられる。主に輸入天然ガスに依存する都市の場合、改革後の価格が若干低下する可能性があるが、国内パイプラインガスに依存する都市の場合、価格は間違いなく上昇する。
アモイ大学中国エネルギー経済研究センターの林伯強主任は、広東と広西の天然ガス価格改革実験は比較的容易であると指摘する。なぜならこれら2省の天然ガスは主に輸入に依存しており、改革前後の価格変動が小さく、改革に困難は見出せない。しかし、四川省のように国内パイプラインガスに依存する省の場合、価格は約1.5元/m3上昇するだろう。
「現在中国のエネルギーに占める天然ガスの比率は4%足らずであるが、2015年には8%に達し、うち40%が輸入に依存する。現在は改革の好機であり、たとえ改革に「良くない影響」が出たとしても、市場とエネルギー構造に根本的に影響が生じることはない。しかし、第12次5ヵ年規画終了後に改革すると、改革のコストと困難はいずれも大きくなる」と、林伯強氏は分析する。また、中国能源網の首席情報官である韓暁平氏の見方では、通貨の下落とインフレの圧力に加えて、人件費、輸送費、販売コストの上昇によって、石炭・電力・石油・天然ガスの値上げも許容される。今後一定の期間は、いずれの資源価格も上昇傾向が続くだろう。
(北京商報 5月8日)