国家能源局の劉鉄男局長は李克強副首相訪露共同プレス発表において、中露間のエネルギー協力の新たな進展について報告した。劉局長によると、李克強副首相はロシア側とエネルギー分野の実務協力の深化について意見を交換し、次の3大コンセンサスを深めた。第1に、中露エネルギー協力は両国間の経済貿易協力の重要な分野であり、中露の全面的戦略協力パートナーシップを深める上で重要な意義を備えている。第2に、中露エネルギー協力のポテンシャルは巨大であり、石油・天然ガス、石炭、原子力発電、電力などの従来の分野はもとより、新エネルギー、エネルギー設備、石炭化学工業、エネルギー科学技術等の分野でも協力の展望が広がっている。第3に、中露エネルギー協力は重要プロジェクト協力を柱としつつ、新たな協力モデルの模索と刷新を進め、協力の水準を高め、協力規模を拡大し、協力分野を広げ、中露エネルギー実務協力が常に新たな成果を上げるよう全面的に推進しなければならない。

　李副首相のロシア訪問で中露間の重要エネルギー協力事業は新たな進展を遂げた。双方の企業は電力売買契約、石油・天然ガス総合加工及び貯蔵・輸送、コンバインドサイクルコージェネレーション、併給発電所、エネルギー分野の投資、エネルギー効率をめぐる協力などで合計60億ドル超の合意文書に調印した。対象は石油・天然ガス、電力、石炭、新エネルギー、エネルギー設備や省エネ等の分野になる。また、両国の政府部門と企業は原子力発電所の建設推進や東方石化製油所の協力についても計画案を実施することになり、また、石油・天然ガス分野の協力強化について前向きに交渉を進めるなど、程度の差はあれ、いずれも新たな進展を遂げた。

　中露天然ガス協力の進展状況については、劉局長は記者からの質問に対し、天然ガス協力は中露両国がともに高度に重視し前向きに推進する事業であるとして、次のように表明した。ロシアの天然ガス資源は豊かであり、中国市場のポテンシャルは巨大であるため、両国の協力は極めて強い相互補完性を備えている。工業化と都市化の加速に伴って中国の天然ガス需要は日増しに増大し、2015年の需要は倍増すると予想される。安全で安定的な中露天然ガス陸上パイプラインを建設することは戦略的意義が非常に大きい。中露双方の西ルートの天然ガスパイプラインをめぐる協力はすでに大きな進展を示しており、パイプラインのルートや管径等の技術パラメータ問題では意見の一致を見ている。双方の主要な隔たりはガス価格と市場の受入能力の問題である。

　（人民網 5月8日）