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【エネルギー全般・政治経済】

エネルギー消費総量規制方案が国務院に提出へ (12/05/24)
2012/5/31
中国【エネルギー全般・政治経済】

 注目を集めている第12次5ヵ年規画・エネルギー消費総量規制方案が近日公布される見通しである。

 国家能源局副局長呉吟は23日、第15回国際科技産業博覧会・中国エネルギー戦略高層フォーラムにおいて、エネルギー消費総量合理的規制方案がすでに国家発展改革委員会事務会議の審議をパスし、目下審議での意見をもとに修正作業を進めており、次は国務院の承認を得るため提出することになると表明した。

 これより先、あるメディアは、第12次5ヵ年規画期における中国のエネルギー消費総量目標が暫定的に41億tce(標準炭換算トン)前後に規制されると報道していた。説明によると、中国のエネルギー政策の仕組みは未だ完備されておらず、エネルギー価格は資源の不足性、再生不能のコストや環境汚染管理のコストなどを完全に反映していない。特に末端エネルギー価格が余りにも低いことは、エネルギー資源の過度の開発、使用上の浪費や低効率な配置の原因になっている。昨年、中国のエネルギー消費は新たに2.3億tce増えた。

 呉吟副局長の考えによると、新たな経済情勢の中で、これまでのエネルギー供給確保から、エネルギー生産・消費総量の科学的な調節へと転換して、経済発展に対するエネルギーの作用と反作用の関係を発揮させ、合理的なエネルギー消費総量の規制を通して、「倒逼」(圧力)メカニズムを形成し、経済と社会の科学的発展を促進しなければならない。

 中国は第12次5ヵ年規画期にエネルギー消費の強度と総量に対する二重の規制を実施し、積極的な省エネ定量指標を引き続き策定するだけでなく、エネルギー消費規制目標を試験的に実施し、需要側管理を強化し、基本的なエネルギー使用を保障し、過度のエネルギー使用を制限し、エネルギー使用の節約を奨励し、エネルギーの生産転換効率と利用効率の向上に力をいれ、産業の構造と配置を最適化し、新型工業化とグリーン都市化の道を歩まなければならない。そして、そうすることによって、出来る限り小さいエネルギー消費で経済と社会の良好かつ速やかな発展を支えなければならない。

 呉吟副局長は、エネルギー消費総量を合理的に規制する以外にも、次の段階ではエネルギーの生産並びに利用方式の変革を重点的に推進して、分散型エネルギーを加速的に発展させるとの考えを示した。

 分散型エネルギーはオフグリッドの運転も、また系統連系も可能であり、電力系統の遠距離送電のロスと極端な環境変化による影響を回避することができるとされ、極めて優れた経済性、省エネ、排出削減の効果を具備する。

 呉吟副局長は、冷却熱電併給(CCHP)のメカニズムを大いに発展させて、分散型エネルギーの発展を推進すべきであると指摘する。しかしながら、中国の分散型エネルギー開発は遅れを取っており、技術、経済や市場などの面で制約を受けている。その主な原因は、分散型エネルギーが一種の新しいエネルギー供給システムであり、伝統観念、業界の利益や制度・政策・法規など一連の問題に直面しているからであり、政策・体制・法律上の障害を除去して、分散型エネルギーの発展のために良好な環境を創造することが求められる。

 これより先、国家能源局など3省庁は《天然ガス分散型エネルギーの発展に関する指導意見》を打ち出し、第12次5ヵ年規画期に約1,000件の天然ガス分散型エネルギープロジェクトを建設することを明確に提示した。

 その他にも、国家能源局の最新統計から明らかなように、全国14ヵ所の大型石炭基地の生産量は32億トンに達し、1億トン級の大型石炭企業は7社を数える。中国のバイオマス発電設備容量はすでに450万kWに達し、その中でソフトバイオマス発電は200万kWになる。メタン発酵ガスの利用規模も拡大が続き、年産量は150億m3になる。燃料エタノール生産量は180万トンを超え、バイオディーゼル年産量はほぼ50万トン、バイオブリケットは約300万トンである。

 (上海証券報 5月24日)