1. HOME
  2. 中国 【原子力】

中国
【原子力】

中国の原子力発電事業凍結解除は近いが依然沿海への立地が主 (12/06/13)
2012/6/13
中国【原子力】

 5月31日に国務院常務会議は《原子力の安全と放射線汚染防止第12次5ヵ年規画及び2020年長期目標》を可決した。原子力発電事業の再開は目前に迫っている。

 しかしながら、中国の原子力発電事業再開の有り様については、第12次5ヵ年規画期における原子力発電事業の配置や規模、新規原子力発電ユニットの採用する技術などの面で、原子力発電業界は依然として慎重な見方をしている。

 業界関係者によると、中国が原子力発電事業を再開したとしても、依然として沿海原子力発電所が主になると予想される。「第12次5ヵ年規画期に内陸原子力発電事業が再開されると見るのは現実的ではない。現在、内陸原子力発電事業は多くの市民の圧力に直面しているのみならず、他の政府部門との協調を進めることも必要である。内陸の新規原子力発電事業にはなお一定の時間を要する」とのこと。

 実際には、原子力発電業界の関係者は、内陸原子力発電事業には技術面で問題は存在しないと見ている。中国原子力産業協会の趙成昆副理事長は、内陸原子力発電は廃水と廃棄物の排出の面で沿海部より高い水準にすることが可能であり、たとえ非常事態が発生したとしても、事前のプランに従って対応することが可能であり、廃水のブロック、貯蔵、隔離、処理を確実に行って、水質を汚染しないよう保障できると述べている。しかし、江西省彭沢原子力発電事業に参加している関係者によると、彭沢事業は内陸原子力発電事業の中では比較的急速に進展していたが、安徽省望江側からの反対に遭い、第12次5ヵ年規画期中の着工は難しい。

 また、第12次5ヵ年規画期における原子力発電の着工規模については未だ公にされていないが、国務院は「安全確保を前提に原子力発電を効率的に発展させる」という言い方をしており、新規着工規模を余り大きくすべきではないと提言する関係者もいる。

 前出の関係者の予想では、原子力発電事業許認可の凍結解除は第12次5ヵ年規画期末になり、着工される原子力発電もモデル炉を除けば、22基を上回ることはなかろう。現在主流になっている設備をもとに1基100万kWとして概算すると、原子力発電事業許認可の凍結解除から2015年までの中国の新規原子力発電設備容量は2,200万kW前後になるに違いない。

 現在の運転中の原子力発電は15基、総設備容量は1,256万kWである。また、建設中は26基、2,944万kWである。建設中の原子力発電ユニットでは中国が世界の40%を占めている。

 (東方早報 6月13日)